【音声あり】ベトナム語のアルファベット一覧|29文字の読み方をネイティブ発音で解説

ベトナム語の基本アルファベット29文字と、重要な合わせ字(ch, kh, nh, th等)の一覧を、黒板と女性講師のイラストで表現した学習用アイキャッチ画像。各文字の読み方や発音解説を想起させるデザイン

この記事ではベトナム語の文字(アルファベット)の読み方を初心者向けに解説します。

ベトナム語って、文字が難しいんでしょう?

以前は、こんなことをよく言われました。

たぶん、タイ語やカンボジア語とごっちゃになっているのでしょう。東南アジアの言語の中でもベトナム語の文字は、実はABCのラテン文字(ローマ字)です。タイ文字のような独自の文字はありません。

ただし、英語のまま読んでも通じません

ベトナム語の文字には、「29文字のアルファベット」「11パターンの合わせ字」「6種類の声調記号」という3つの要素があり、これをセットで押さえないと単語が読めるようになりません。

最初にこの全体像を把握しておくと、その後の学習がぐっとスムーズになります。

この記事では、ハノイ在住10年以上の筆者が、ベトナム語のアルファベット29文字と合わせ字11パターンの読み方を、ベトナム語ネイティブ(北部方言)の音声付きで解説します。声調記号についても、全体像のセクションで概要に触れます。

タイベオ先生

これからベトナム語を始める方、文字の全体像をまず把握したい方のお役に立てれば嬉しいです。

この記事でわかること
  • ベトナム語の文字が「29文字+11パターン+6声調」の3要素で整理できる理由
  • アルファベットに「単語を読む読み方」と「アルファベットを伝える読み方」の2種類がある理由
  • 特殊文字7つ(Đ・Ă・Â・Ê・Ô・Ơ・Ư)の読み方と覚え方
  • 住所や人名のスペルをベトナム語で聞き取る方法
  • 合わせ字11パターンの読み方と使い分け
目次

ベトナム語の文字の全体像|29文字+11パターン+6声調

現代のベトナム語で使われている文字は、おなじみのABCのラテン文字(ローマ字)です。

この正書法を Chữ Quốc ngữ(チュー・クオック・グー) といいます。直訳すると「国語の字」という意味です。

ベトナムでも20世紀初頭までは漢字と、漢字を応用したベトナム独自の文字「字喃(チュノム)」が公式に使われていました。現在のラテン文字表記は、もともと17世紀にカトリックの宣教師がベトナム語学習のために考案したもので、フランス植民地時代を経て普及し、1945年のベトナム独立を機に正式な国の文字として確立されました。ベトナム語のラテン文字表記は、意外と新しい歴史なのです。

タイ語やカンボジア語のような独自文字を覚える必要はないので、文字を読むというハードルはかなり下がります。

ただし、英語の26文字とまったく同じではありません。ベトナム語の文字を読むには、以下の3つの要素を押さえる必要があります。

  • 基本のアルファベット29文字
  • 合わせ字 11パターン(子音の組み合わせ表記)
  • 声調記号 6種類(文字の上下に付く小さな記号)

順に見ていきましょう。

要素1:基本のアルファベット29文字

まず、ベトナム語のアルファベットを見てみましょう。これをChữ cái (チュー・カイ)といいます。

ベトナム語アルファベット29文字一覧

A Ă Â B C D Đ E Ê G H I K L M N O Ô Ơ P Q R S T U Ư V X Y

タイベオ先生

英語のアルファベットと比べて、何か気づきましたか?

2つ、違うことがあります。

① F・J・W・Zがない

ベトナム語固有の単語には、この4文字が登場しません。「F」の音は「ph」で、「J」の音は「gi」で表すので、単独の文字として必要ないのです。ただし外来語やブランド名(Facebook、Wifiなど)にはそのまま使われます。

② 英語にない文字が7つある

Đ・Ă・Â・Ê・Ô・Ơ・Ư の7文字です。英語のアルファベットに記号が付いたような形をしていますが、ベトナム人にとっては D と Đ は「あ」と「い」くらい別の文字です。この7文字については、後のセクションで詳しく扱います。

合計29文字。これがベトナム語のアルファベットの基本です。

要素2:合わせ字 11パターン

もうひとつ覚えておきたいのが Chữ ghép(チュー・ゲップ)、合わせ字です。

2〜3文字を組み合わせて、1つの子音を表す表記法で、全部で11パターンあります。

ベトナム語の合わせ字11パターン

ch・kh・nh・th・ph・gh・ng・ngh・tr・gi・qu

この11パターンを知っているかどうかで、ベトナム語のスペルを見たときに「読める」か「読めない」かが分かれます。

要素3:声調記号 6種類

最後の要素が、ベトナム語特有の 声調記号 です。文字の上下に付く小さな記号で、これによって単語の音程が変わり、意味も変わります。

たとえば「ma」という同じスペルでも、付く声調記号が違うだけで意味がまるで変わります。

ma(幽霊)/(母)/(しかし)/mả(墓)/(馬)/mạ(苗)

文字の上下に「、」のような記号や「?」「.」のような形が付くのが声調記号で、全部で6種類です。ベトナム語の単語を正しく読むには、この声調記号を必ずセットで読む必要があることだけ、ここでは押さえてください。

声調記号それぞれの読み方や、北部・南部での発音差については、本記事の範囲を超えるので、別記事ベトナム語の発音記号についてベトナム語の発音のコツで詳しく解説しています。

29文字+11パターン+6声調。これがベトナム語の文字の全体図です。

なお、単語を読むときには「二重母音(ai・ơi・ươi など)」や「末子音(c・ch・m・n・ng・nh・p・t)」の知識も必要になりますが、これらは文字そのものの構成というより発音規則にあたります。

タイベオ先生

詳細はまたの講釈にて。

ベトナムの幼児が文字の読み方を学ぶための現地の教科書。5つの声調(sắc, huyền, hỏi, ngã, nặng)と母音の組み合わせを、人の顔のイラストや一覧表で分かりやすく解説しているページの写真
これは、ベトナムの幼児が文字の読み方を勉強するための本

ベトナム語のアルファベット29文字の読み方【音声付き】

ベトナム語のアルファベットには、2つの読み方があります。

  • 音(Âm)方式:単語を読むときの読み方(「ボー」「コー」「ドー」)
  • 文字名(Tên chữ cái)方式:アルファベットを1文字ずつ伝えるときの読み方(「アー」「ベー」「セー」「デー」)

どちらか一方ではなく、場面によって使い分けられています。日本語のテキストでよく見る「アー・ベー・セー・デー」は文字名方式で、ベトナムの小学校で実際に教えられているのは音方式の方です。

まずは音方式から見ていきましょう。

音(Âm)方式:単語を読むときの読み方

こちらは日本人向けのベトナム語のテキストでは紹介されることがない、ベトナムの小学生が最初に習う読み方です。

この方式の利点は、そのまま単語の発音につながることです。たとえば「ba(3)」という単語を読むとき、音方式なら「Bờ+A=Ba」と自然につながります。文字名方式の「ベー+アー」では、単語の発音になかなか結びつきません。

カタカナはあくまで参考です。正確な発音は必ず音声で確認してください。

文字読み方単語の例
A aアーba(3)
Ă ăアッăn(食べる)
 âアー(口を狭く)ấm(温かい)
B bボーba(3)
C cコーcá(魚)
D dゾー(北部)/ヨー(南部)da(肌)
Đ đドーđi(行く)
E eエーem(年下)
Ê êエー(口を狭く)êm(柔らかい)
G gゴーgà(鶏)
H hホーhoa(花)
I iイーít(少ない)
K kカーkem(アイス)
L lローlá(葉)
M mモーmẹ(母)
N nノーnước(水)
O oオーông(祖父)
Ô ôオー(口を丸く)ổi(グアバ)
Ơ ơアー(口を半開き)ớt(唐辛子)
P pポー(ph で使う)
Q qクーquả(果物)
R rロー(北部はゾーに近い)rau(野菜)
S sソーsách(本)
T tトーtay(手)
U uウーủ(発酵させる)
Ư ưウー(口を半開き)ưa(好む)
V vヴォーvui(楽しい)
X xソーxe(車)
Y yイーyêu(愛する)

音声を聞きながら、声に出して真似するのが一番の近道です。

タイベオ先生

ベトナムの小学生も、先生のあとに続いてこうやって練習しています。

なお、P単独で使われる単語はほぼありません。ベトナム語固有の単語では、Pはほぼすべて合わせ字「ph」の形で登場します。phở(フォー)の P がまさにその例で、これについては後の合わせ字のセクションで扱います。

文字名方式:アルファベットを1文字ずつ伝えるときの読み方

次は、日本人向けのテキストでよく見る「アー・ベー・セー・デー」の読み方です。

単語を読む用途ではなく、アルファベットそのものを口頭でやり取りするときに使います。「英語のABC読みのベトナム語版」と思ってください。

🔊 文字名方式・29文字の読み上げ音声(ハノイ在住ネイティブ女性・北部ハノイ訛り)

文字読み方
A aアー
Ă ăアッ
 âアー(Ớ)
B bベー
C cセー
D dゼー
Đ đデー
E eエー
Ê êエー(Ê)
G gゲー
H hハッ
I iイー
K kカー
L lエ・ロー
M mエ・モー
N nエ・ノー
O oオー
Ô ôオー(Ô)
Ơ ơアー(Ơ)
P pペー
Q qクー
R rエ・ロー
S sエット・スィー
T tテー
U uウー
Ư ưウー(Ư)
V vヴェー
X xイクスィー
Y yイー

音方式と比べると、子音字に「エ」が前後についたり、フランス語っぽい読み方になっていたりするのが特徴です。ベトナム語のアルファベット表記がフランス植民地時代に整えられた名残です。

この文字名方式が実際に活きる場面については、次のセクションで詳しく見ていきます。

ベトナム語の「アーベーセー」読みが活きる2つの場面

わたしはベトナムへ来た当初、ベトナム人がアルファベットで略した言葉を何と言っているのか、さっぱりわかりませんでした。

たとえば、こんな具合です。

  • ABCは「エービーシー」ではなく「アーベーセー
  • wwwは「ダブリュ・ダブリュ・ダブリュ」ではなく「ベケット・ベケット・ベケット
  • 日本語能力試験のN5は「エヌ・ゴ」ではなく「ノー・ナム
  • 携帯回線の3Gは「スリージー」ではなく「バー・ゴー
  • NHK は「エヌ・エイチ・ケー」ではなく「ノー・ハッ・カー

英語のABC読みで通じると思っていたら、まず通じません。ベトナム人の耳はベトナム式のアルファベット読みに慣れているからです。

現代のベトナム生活では、パスポート番号や銀行カードの番号は書類やアプリで見せれば済む場面がほとんどです。ただ、口頭でアルファベットを読み上げる必要が確実にある場面が2つあります。

シーン1:集合住宅の棟名を伝えるとき

ハノイの新興住宅街では、棟名がアルファベット+数字で表記されるのが一般的です。

  • CT-4、HH-2、R1、T18……

タクシーやGrabのドライバーに住所を伝えるとき、配達員に宛先を伝えるとき、こういった棟名を口頭でやり取りする場面は日常的に起きます。

たとえば「CT-4」を伝えるなら:

  • 日本人の感覚:「シーティー・フォー」
  • ベトナム式:「セー・テー・ボン(C=セー、T=テー、4=ボン)

「シーティー」のつもりで言っても、通じません。ハノイでGrabに乗るたびに、この読み方が必要になります。

シーン2:単語の綴りやベトナム人の名前を確認するとき

ベトナム人の名前は、同じ音でも綴りが違うことがよくあります。本人にとって、綴りはアイデンティティそのものです。

ハノイで暮らし始めたばかりのころ、新しく知り合った方の名前「タンさん」を正確に呼びたくて綴りを聞いたことがあります。

返ってきたのが「テー、ハッ、…」という音で、最初何を言っているのかまったくわかりませんでした。

「テー」が「T」、「ハッ」が「H」。英語のアルファベット読みと全然違いますね。

タイベオ先生

結局その人の名前はThắngさんでした。他にも Tấn, Thần, Tần, Thanhなど同じタンさんでもこれらは厳密に違うのです

名前や単語を聞いて一発で正しく理解できないとき、スペルを言ってもらうことが今でもよくあります。

このように、一見必要なさそうに思えるベトナム語のアルファベット読みは、ベトナム現地で仕事をする上で地味に必須の知識なのです。

ベトナム語独自の7文字|Đ Ă Â Ê Ô Ơ Ư

英語のアルファベットにはない、ベトナム語独自の文字が7つあります。

Đ・Ă・Â・Ê・Ô・Ơ・Ư

一見すると「おなじみの文字に変な記号が付いている」だけに見えます。でもベトナム人にとっては、D と Đ は「あ」と「い」くらい別の文字です。記号の意味を知っておくと、ぐっと覚えやすくなります。

🔊 特殊文字7つ+例単語の読み上げ音声(ハノイ在住ネイティブ女性・北部ハノイ訛り)

文字例単語意味
Đ đđi行く
Ă ăăn食べる
 âấm温かい
Ê êêm柔らかい
Ô ôổiグアバ
Ơ ơớt唐辛子
Ư ưưa好む

Đ(đ)|横棒の入ったD

ベトナム語の「D」は2種類あります。普通の「D」と横棒が入った 「Đ」です。英語の「ダ・ディ・ドゥ・デ・ド」の音を表します。

注意したいのは、横棒のない D はまったく別の音だということです。北部発音では「ザ・ジ・ズ・ゼ・ゾ」になります。英語感覚で D を読んでも、ベトナム語ではほぼ通じません。

  • đi(行く)→「ディー」
  • Đống Đa(ハノイ中心部の地名)→「ドンダー」

ハノイの地名や人名にも頻繁に登場するので、最初に覚えておくと後が楽です。

Ă・Â|Aに記号が付いた仲間

どちらも A をベースにした母音ですが、記号の形に意味があります。

  • Ă(頭に短い線):「短い母音」のサイン。「ア」を一瞬で切るように発音します
  • Â(頭に帽子):「口を狭くして発音する」のサイン。日本語の「ア」と「オ」の中間のような音です

例:

  • Ă:ăn(食べる)→「アン」
  • Â:cần(必要)→「カン」

Ê・Ô|屋根付きの母音

E と O の頭に「屋根(^)」が付いた仲間です。記号の意味は Â と同じで、「口を狭くして発音する」サインです。

  • Ê:日本語の「エ」より口を狭めて発音します
  • Ô:日本語の「オ」より口を丸めて、すぼめて発音します

屋根が付いている方(Ê・Ô)は口を狭く、付いていない方(E・O)は口を大きく開けて発音する、と覚えてください。

例:

  • Ê:đêm(夜)→「デム」
  • Ô:bốn(4)→「ボン」

Ơ・Ư|フック付きの母音

O と U の右上に「フック(ひげ)」が付いた仲間です。「唇を丸めずに発音する」サインです。

特に Ư は日本語にも英語にもない音で、学習者がよくつまずくポイントです。口を「イ」と「ウ」の中間の形にして、喉の奥から音を出すイメージです。

例:

  • Ơ:(夢)→「マー」
  • Ư:thư(手紙)→「トゥー」

ちなみに、この記事のテーマ「アルファベット」のベトナム語訳 Chữ cái(チューカイ) にも Ư が入っています。ベトナム語を学ぶ上で、避けて通れない音です。

ベトナム語の合わせ字11パターンの読み方【音声付き】

ベトナム語のアルファベット29文字を覚えたら、次は Chữ ghép(チュー・ゲップ)、合わせ字です。

2〜3文字を組み合わせて1つの子音を表す表記で、全部で11パターンあります。これを知っているかどうかで、ベトナム語のスペルを見たときに「読める」か「読めない」かが分かれます。

合わせ字読み方の目安例単語
chチャ行chào(こんにちは)
khカ行(喉から)không(〜ない)
nhニャ行nhà(家)
thタ行(息を強く)thầy(先生)
phファ行phở(フォー)
ghガ行ghế(椅子)
ngンガ行người(人)
nghンガ行(i・e・ê の前)nghe(聞く)
trチャ行(北部)/トラ行(南部)trà(お茶)
giザ行(北部)/ヤ行(南部)gia đình(家族)
quクワ行quán(店)

ch・kh・nh・th・ph・gh・trの読み方

よく使う7パターンをまとめて見ておきます。

ch → 日本語の「チャ・チ・チュ・チェ・チョ」に近い音です。

  • chào(こんにちは)→「チャオ」/chị(年上の女性)→「チ」

kh → 喉の奥から空気を擦り出すような「カ行」です。日本語の「カ」より息が漏れます。

  • không(〜ない)→「ホン」/khỏe(元気)→「ホエ」

nh → 日本語の「ニャ・ニ・ニュ・ニェ・ニョ」に近い音です。

  • nhà(家)→「ニャー」/nhỏ(小さい)→「ニョー」

th → 息を強く吐きながら発音する「タ行」です。

  • thầy(先生)→「タイ」/thích(好き)→「ティック」

ph → 英語の「F」の音です。ベトナム語にF単独の文字がないため、この組み合わせで表現します。P単独で使われる単語はほぼなく、ベトナム語のPはほぼすべてphの形で登場します

  • phở(フォー)→「フォー」/phim(映画)→「フィム」

gh → 「ガ・ギ・グ・ゲ・ゴ」の音です。ただし i・e・ê の前に来るときだけ gh を使うルールがあります(理由は次のセクションで)。

  • ghế(椅子)→「ゲー」/ghi(書き留める)→「ギ」

tr → 北部と南部で発音が大きく違います。

  • 北部:「チャ行」(ch とほぼ同じ)
  • 南部:巻き舌気味の「トラ行」
  • trà(お茶)→ 北部「チャー」/南部「トラー」

ng と ngh の使い分け|1つのルールで解決

ng と ngh は、音はまったく同じです。後ろに来る母音によって書き分けるだけです。

  • ng:a・ă・â・o・ô・ơ・u・ư の前
  • ngh:i・e・ê の前だけ

つまり 「i・e・ê の前にだけ h を足す」 と言うルールがあります。前のセクションの gh と g の使い分けも、まったく同じルールです。でも別に覚えなくても大丈夫です。ベトナム語表記の癖として、そう言うルールがあるんだ、ぐらいに思ってください。文字を見て、読めれば大丈夫です。

タイベオ先生

私も特に意識せずに普通に読んでいるだけです。

  • người(人)→「ングオイ」(ng + ười)
  • nghe(聞く)→「ンゲ」(ngh + e)

gi と qu|特殊な2パターン

gi → 北部と南部で発音が違います。

  • 北部:「ザ・ジ・ズ・ゼ・ゾ」
  • 南部:「ヤ・イ・ユ・イェ・ヨ」

英語感覚で「ジ」と読みたくなりますが、北部でも「J」ではなく「Z」の音です。

  • gia đình(家族)→ 北部「ザーディン」/南部「ヤーディン」
  • giờ(時間)→ 北部「ゾー」/南部「ヨー」

qu → 「クワ・クィ・クェ・クォ」のような音です。Q は必ず u とセットで使われます。

  • quán(店)→「クアン」
  • quê(故郷)→「クェー」

qu は日常的によく使われる合わせ字で、quên(忘れる)quan trọng(大切)、 quần(ズボン) など、初級レベルの単語にも頻繁に登場します。「クー+母音」のパターンを耳と口に染み込ませておくと、会話の聞き取りもぐっと楽になります。

ベトナム語のアルファベットに関するよくある質問

ベトナム語のアルファベットを覚えるのにどれくらいかかりますか?

29文字+特殊文字の読み方(12種類の母音含む)に 2〜3週間、合わせ字11パターンや二重母音・三重母音、末子音を単語と一緒に覚えるのにさらに 2〜3週間が目安です。合計1〜2ヶ月ほどで「文字を見て音が思い浮かぶ」レベルには到達できます。

ただし、これは「読める」段階です。Ơ・Ư のような日本語にない音や、声調の聞き分けは、半年〜1年かけて少しずつ精度を上げていくものだと考えてください。

ベトナム語のアルファベットはパソコンでどう入力しますか?

Telex(テレックス) という入力方式を使うのが一般的です。通常の英語キーボードで特定のアルファベットを組み合わせて記号を打ち込む方式で、現在のベトナムでも主流です。

Windowsなら無料ソフト UniKey、Macなら標準搭載の Simple Telex を使うのが定番です。スマホでもベトナム語キーボードを追加すれば同じ方式で入力できます。

ベトナム語の文字は南部と北部で違いますか?

表記はまったく同じです。ベトナム全土で同じ29文字+合わせ字11パターンが使われています。

違うのは発音です。tr・gi・d などは南北で発音差があります。詳しくはベトナム語の北部と南部の方言差をご覧ください。

文字を書けないと会話できませんか?

書けなくても会話はできます。現代ではほとんどがスマホやパソコンでの入力なので、手書きで書く機会は多くありません。日常会話のためなら「読める」「聞ける」「話せる」を先に鍛えれば十分です。

ただし、ベトナム人の手書き文字(筆記体)を読む力は、現地生活で意外と重要です。お店の伝票やメモ、街の手書き看板はほぼすべて筆記体で書かれています。筆記体については別記事【ベトナム語の手書き文字|筆記体の読み方と書き方】(現在制作中)でまとめる予定です。

ベトナム語に漢字は使われていますか?

現在は使われていません。20世紀初頭まで漢字と字喃(チュノム)が公式の文字でしたが、1945年のベトナム独立を機にローマ字表記が正式採用され、以降は漢字が公文書や教育から姿を消しました。

ただし、ベトナム語の語彙の約7割は漢字に由来する 漢越語 です。「注意(chú ý)」「歴史(lịch sử)」「結婚(kết hôn)」など、日本語と発音が似ている単語が多数あります。日本人がベトナム語を学びやすい理由のひとつは、ここにあります。

まとめ|ベトナム語のアルファベットは29文字+11パターン+6つの成長

ベトナム語の文字は、最初に見たときの「変な記号がいっぱい」という印象を超えると、実はとてもシステマチックに整理されています。

本記事のポイントを3つに絞ります。

  • ベトナム語の文字は 「基本29文字+合わせ字11パターン」 の2層で成り立っている
  • アルファベットには 「音方式(単語を読む)」と「文字名方式(住所・人名のスペル確認)」 の2つの読み方があり、場面で使い分ける
  • 特殊文字7つ(Đ・Ă・Â・Ê・Ô・Ơ・Ư)は、記号の意味(屋根・フック)と音をセットで覚える

ひとつ付け加えるなら、カタカナだけを見て読むのは最初からやめてください。最初に間違ったカタカナ読みを刷り込んでしまうと、後で矯正するのに何倍も時間がかかります。本記事の音声を繰り返し聞いて、ネイティブの音を耳と口に染み込ませてください。

タイベオ先生

アルファベットをマスターしたら、次はどの順番で勉強を進めるべきか?独学で迷わないベトナム語学習の7ステップで全体像を確認しておきましょう。

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