ベトナム語を独学する効果的な勉強方法が知りたい。
どうやって、勉強していったらいいんだろう?
あなたもこのように感じたことはないですか?
私は、完全に独学でベトナム語を身につけました
しかし、ベトナム語をはじめたばかりのときは、周りに助けてくれる人もいなかったので、そのゴールの遠さに圧倒されてしまいました。
自分はいつかこの人たちの言っていることが理解できて、自由にコミュニケーションを取れる日なんて来るのだろうか?
ネイティブ同士の会話を聞きながら、そんなことを考えていました。
簡単なベトナム語の挨拶はできるようになった、でもそれ以上進まない。
すぐに壁にぶち当たりました。
それでも、試行錯誤で行ったり来たりしながら、独学でずっと細々とベトナム語学習を続けてくることができました。
今ではハノイに移住し、ベトナム人女性と国際結婚までしています。妻は日本語がわからないので普段はベトナム語だけでやり取りしています。
こうした経験を通して、ベトナム語学習の全体像を俯瞰で見られるようになったので、わたしがベトナム語独学に特に必要だと思ったことを、この記事を通して皆さんにシェアできればと思います。
少し長くなってしまいますが、お付き合いいただければ幸いです。
- ベトナム語をこれから勉強しようという人
- ベトナム語を独学で勉強してみたい人
- ベトナム語をどうやって勉強していったらよいか途方に暮れている人
- 必要に迫られて、ベトナム語を身に着けなければならなくなった人
- 語学の勉強が好きな人
この記事ではベトナム語を、独学でゼロから学習するのに必要な7つのステップをご紹介します。
このステップを踏んでいけば、「ベトナム人が、今話していることがわかる」「思っていることを、簡単なベトナム語で伝えられる」というレベルに誰でも到達できます!
ちなみに勉強するのが嫌いだ!という方には別の方法をおすすめしています。
コミュニケーション重視のベトナム語
僕がベトナム語を全くの独学で身につけた勉強方法
ベトナム語を独学で習得するために以下の7つのステップを踏んでいきます。
これは実際に私がベトナム語を勉強してきた方法で、結果として、個人的に効果があったものです。
もちろん、人によって合う合わないがあると思いますが、参考になれば幸いです。
- ステップ1 文字の読み方を知る
- ステップ2 ベトナム語の6つの声調を覚える
- ステップ3 簡単なフレーズを覚えてみる
- ステップ4 母音の発音を徹底トレーニング
- ステップ5 子音の発音を徹底トレーニング
- ステップ6 ベトナム語のテキストで文法と必須語彙を勉強する
- ステップ7 多読多聴を繰り返し、語彙を増やしていく
どんなプロジェクトに関しても言えることですが、いきなり大きな目標に向かって、がむしゃらに進んで行くのは賢いやり方ではありません。
- 発音が難しい
- 学習環境が十分に整っていない
こうした課題をクリアして、ベトナム語をマスターするために何が必要でしょうか?
習得までの長い道のりを小分けにし、途中に小さな目標を定めることが必要です。
そして、その小さな目標を一つずつクリアしていくことで、達成感が得られ、モチベーションを維持できます。
少なくとも、ステップ6まではそのように進みます。
初めにお断りしておかなければなりませんが、最後のステップ7には終りがありません。ただ、この段階である程度ペラペラになっていることは確かです。
まずは独学で勉強できるベトナム語のテキストを用意します
まずは、ベトナム語のテキストを1冊用意してください。
内容が充実していて、必要な項目がほぼ網羅されている、テキスト界の老舗
文型積み上げ式で、文法をガッツリ勉強したい学習者に好まれる最も詳しいテキスト
ベトナム語初心者のニーズに寄り添った2020年発行の新しいテキスト
すでに持っているよ、という方はそちらをぜひご活用ください。
おすすめのベトナム語のテキストについて詳しくは以下の記事でご紹介しています。
テキストを用意したら、いよいよ7つのステップを踏んでいきます。
それでは、一つずつ解説していきます。
それぞれのタイトルがそのステップの目標です。
独学ステップ①ベトナム語のアルファベットの読み方を知る
まず、ベトナム語のアルファベットの読み方を覚えましょう。
ベトナム語のアルファベットは29文字あります。
ベトナム語のアルファベットは以下のとおりです。
これらの文字は、一見読めそうですが、いわゆる英語のABC読みとは異なります。
このステップで集中すること
このステップ1では母音や子音の発音については、そこまで詳しく取り組みません。ステップ4や5でさらに深堀りしていきます。
なんとなく、聞こえたネイティブの発音をモノマネする感じでOKです。音の読み方を簡単に理解する程度で構いません。
文字についてのイントロダクションといった感じです
具体的な勉強の仕方
テキストを開いて、はじめに出てくるアルファベットの解説部分を音声を聞きながら読んでみましょう。
時間もそこまで掛けなくて大丈夫です。
ワンレッスン、1日か2日もあれば十分でしょう。
独学ステップ②ベトナム語の6つの声調に慣れる
次に最初のクライマックス、声調に進みます。
You Tubeやお持ちのテキストの音声を何度も聞いてマネしてください。
- ma (幽霊):平らな声調
- mà(接続詞):下がる声調
- má(頬):上がる声調
- mả(墓):尋ねる声調
- mã(記号):倒れる声調
- mạ(苗):重い声調
ここは、今後の基準点になりますので、しっかり行ないます。
このステップで集中すること
このステップではまだ単語の意味は調べたりしなくてもいいので、さまざまな単語を、特に声調を意識してネイティブの発音をしっかり聞きましょう。
ここで、集中するポイントは、アクセントの高低と強弱の付け方です。
このステップでの目標は、それぞれの声調を音声として耳に叩き込むことです。何度も何度も聞いてください。
音楽的な聞き方をします。メロディーとして、音に集中して体に覚えさせます。
具体的な学習の仕方
ここでも音声付きテキストを活用します。
以下の点に注意しながら色々聞いてみましょう。
2音節のリズムをつかめ
テキストの何課でもいいので、新出語彙など、単語を読み上げる部分を集中して聞いてみましょう。
ベトナム語の語彙の多くは、2音節セットで構成されることが多いです。
「上がるー尋ねる」「平板ー平板」「倒れるー下がる」など無数の組み合わせがあります。
これが、ベトナム語の独特のリズムを生み出します。
声調を1音ずつバラバラに覚えるより、2音節の単語を多く聞くことで、ベトナム語らしい正確なトーンとリズムを音楽的に、感覚として身につけることができます。
中国語のように「3声+3声は2声+3声になる」といったようなイレギュラーな変化はしません。
- tất cả すべて
- hợp tác 協力する
- trung tâm センター
- giữ gìn 保つ
- thời gian 時間
- có thể できる
- chúng ta わたしたち
- cảm ơn ありがとう
- tốt quá いいですね
- khó chịu 気分悪い
それぞれに、特徴的なリズムがありますね。
文の中でのベトナム語特有のリズムとメロディーを聴け
次にテキストの会話文のスクリプトと音声に注目します。(何課でもかまいません)
今度は文全体の中での声調が持つリズムに注目します。
文章の中でそれぞれの単語がどう発音されているか、テキストを見ながら、追ってみましょう。
次に、単語一つ一つではなく、単語のかたまりを語群として捉えましょう。語群が持っているメロディに注意して聞きます。
単語のかたまりとはどういうことかというと、カンマで区切られている部分、息継ぎせずに読む部分、ということです。
何度も聞いたら、今度は、意味はまだわからなくていいので、正確に声調をマネしてください。
ハミングでいいから口ずさんでみよう
文字は読まなくてもいいので、ハミングで「ふーふふふふっふ」のように、聞こえたままマネしてみてください。
ベトナム語の声調の感じが、しっかりつかめてきたら次のステップへ進みます。
独学ステップ③簡単なベトナム語フレーズを覚えてみる
言語の勉強はまず、楽しくやらなければなりません。
無機質なトレーニングばかりやっても面白くありません。試合もしたいですよね。
このステップでは、いちど発音練習を離れて、あいさつや、よく使うフレーズなど、何でも良いので自分が言ってみたいフレーズを自由に覚えてみましょう。
簡単なベトナム語が話せるようになると、相手に自分の言っていることが通じて、面白いですし、小さな達成感もあります。
このステップで集中すること
このステップでも、まず最初は主に聞くことに集中します。
テキストにある、自己紹介やあいさつ、買い物などのテーマがよいでしょう。
時間や数字などすぐ使えるテーマもいいと思います。
具体的な覚え方
わたしが行なった覚え方は、とてもユニークなものです。「覚えようとしない覚え方」です
- まず、自分の好きなテーマ(あいさつ、買い物など)を選んでください。
- 次に、選んだテーマの音声を、一週間に分けて毎日30回ぐらい集中して聞いてください。
一つのフレーズ、もしくは短い会話のやり取りを何度もリピートして聞きます。
ちょっと疲れるかもしれませんが、ただそれだけです。
文字は見ても見なくても良いです。
この段階では、まだ、文法や単語の意味もあまり考えなくていいです。
こうして、1週間ほど聞きまくると、回数にして200回ぐらい聞くことになります。
すると、そのあと、不思議な体験をすることになります。
ある瞬間から、聞き続けていたフレーズが、無意識のうちに自然と口をついて出てくるようになります。
覚えようとしていなかったのに、みごとに暗記に成功していることに驚かれるでしょう。
脳が勝手に覚えてくれているのです。
ちょうど、赤ちゃんが言葉を覚えるのに似ています。
わたしも、実際にこれを経験して本当に驚きました。
次に、この方法で覚えたフレーズを、ベトナム人相手にどんどん使ってみましょう。
このようにして、このステップで、「少ししゃべれる」という達成感を味わうことができます。
一ヶ月ほど時間をかけ、2,3のスラスラ話せるタスクが溜まってきたら今度は次のステップです。
独学ステップ④発音の肝:ベトナム語の母音を徹底トレーニング
ベトナム語習得の肝は発音の正しさです。特に母音を正しく発音することが重要です。
ベトナム語には母音が11(12)種類あって、これらを、瞬時に使い分けて聞き分けなければ、コミュニケーションをスムーズに取ることができません。
ベトナム語の母音
A | a |
Ă | ă |
 | â |
E | e |
Ê | ê |
I(Y) | i(y) |
O | o |
Ô | ô |
Ơ | ơ |
U | u |
Ư | ư |
このステップで、いきなり前に逆戻りしているように感じられるかもしれませんが、ある程度、ベトナム語に慣れてきたこの段階になって、あえて必要になってくるステップです。ここは非常に重要なところなので、忍耐強く行ないましょう。
実際のところ、ほとんどの学習者は、無意識のうちにベトナム語の母音を、日本語の「アイウエオ」に置き換えて、発音してしまいがちです。
- そのため、がんばって発音しても、ネイティブはあなたの発音したカタカナベトナム語を聞き取ることができません。
- また逆に、学習者の頭には、ベトナム語の母音ではなく日本語の「アイウエオ」で母音がしっかりインプットされてしまっているため、学習者はネイティブの発音を聞きとることができません。
わたしが、日本の日本語学校でベトナム人の学生に教えていた時の話です。
当時のわたしは、少しベトナム語を話せるようになっていたので、得意気に、
「空港」はベトナム語で「サンバイ」です。
せんせい、「さんばい」わかりません。なんですか?
ですから、「サンバイ」です!
わかりません。。。
・・・・・・・・・・・。
しばらくして、、、、、
あ~ “ Sân bay ” ですか! 「サンバイ」じゃありません!
“ Sân bay ”です。
注目したい点として、このエピソードで問題になっているのは
声調の正しさではなく、母音の発音の微調整
ということです。
ちょっとした口の開き方の誤差なのですが、ネイティブにとってはまったく別の音として認識されてしまいます。
母音の発音を正しく抑えておくことは、ベトナム語学習において非常に大切
このステップで集中すること
ステップ2のところでは、声調のリズムと高低の感覚を叩き込みましたが、このステップでは、特に母音を徹底トレーニングします。
母音のトレーニングで必要になってくるのが、口の開き方の調整です。口の開け方の微調整の感覚をこのステップでつかみましょう。
さらに、母音には11の短母音だけではなく、3種類の二重母音というのがあります。これもこのステップで身につけましょう。
具体的なトレーニングの仕方
このステップにおいては、耳のいい人は、独学でも音声を聞きながら微調整できますが、できれば、ベトナム人にチェックしてもらったほうがいいです。
テキストを使った母音の学習方法です。
- テキストのはじめにある母音の部分を徹底的に聴き込んで、真似して発音してみる
- ステップ3で覚えた会話のフレーズをもう一度テキストを見ながら、特に母音の部分を意識しながら、自分の発音と正しい発音のズレを調整していく
正しい母音を脳にインプットしましょう。そして、口の開き方を意識して聞こえた音と同じ音が出せるよう、微調整していきます。
正しい音を出せたかどうかは、自分ではなかなか判断しにくいので、ネイティブにチェックしてもらいましょう。
北部発音と南部発音、どちらを身につける?
ここで問題になるのが、ベトナム語には北部発音と南部発音があるという問題です。
あなたは北と南、どちらの発音を最初に身に着けたいですか?
実は、市販のテキストはほぼ全てと言っていいほど、ハノイを中心とした、北部発音で収録されています。
もしあなたがホーチミンの南部発音でベトナム語を身に着けたい場合、南部出身のネイティブにチェックしてもらうほうが良いでしょう。
You Tubeで南部出身の方が発音されているものもあります。それらを活用することもできます。ちなみにユーチューバーのBEBAさんは、コテコテのド南部弁です。
わたしは、北部発音で身につけたので、ハノイに住むには好都合ですが、南部や中部の人の発音が聞き取りにくく感じます。
もちろん、北部の発音を身に着けても南の人には通じますし、あとから南部の発音にシフトしていくこともできます。
独学ステップ⑤ベトナム語の子音を徹底トレーニング
次のステップは子音の発音です。これは、母音ほど難しくありません。
かける時間もそれほど多くなくて大丈夫です。
このステップで集中すること
このステップでは頭子音と末子音の正しい発音を身につけます。
頭子音
頭子音は頭につける子音のことで、発音はそれほど難しくありません。
ただ、日本人にとって難しいのは、T と TH の区別です。
T は無気音、つまり息を出さずに出す「タ・テ・ト」です。
TH は有気音、つまり息が出る「タ・テ・ト」です。
微妙な違いですが、特に人の名前を読んだり、タクシーで通りの名前を告げるときなど、正しく発音しないと伝わらないため注意が必要です。
末子音
次に、このステップで集中するのが末子音の発音です。ここに多くの時間を割くことになります。
例えば勉強するという意味の học という言葉があります。日本人は「ホック」と読みがちですが、最後の子音 c は読んではいけません。
c の音を出す準備をして、口をカエルのように膨らませて止めます。
語末の子音は音を出す準備をして途中で止める、という感覚をこのステップでしっかりつかみます。
具体的な発音トレーニングの仕方
このステップでも、ステップ4の母音のところと同じ方法でトレーニングします。
- テキストのはじめにある子音の部分を徹底的に聴き込んで、真似して発音してみる
- ステップ3で覚えた会話のフレーズをもう一度テキストを見ながら、特に子音の部分を意識しながら、自分の発音と正しい発音のズレを調整していく
独学ステップ⑥テキストで文法と基本単語を勉強する
ここで、やっとテキストの本格的な出番です。
お待たせしました。
あなたが知りたくて知りたくてずっとウズウズしていた、ベトナム語の文法や語彙に関する学習をこのステップでやっと思う存分おこなうことができます。
このステップで集中すること
素直に1課から順番に、テキストを勉強していきます。
たいてい、どのテキストにも会話スクリプトがあって、その課で身につけたい文法項目が出てきます。
- このステップでは主にベトナム語の基礎となる、文法や語彙を頭に入れていくことに集中します。
- 同時に、ステップ1~ステップ5でおこなった発音に関する練習も並行して、テキストの音声を聞きながら続けていきます。
具体的な勉強の仕方
- 1課から順番におこないますが、あまり急ぎすぎないほうが効果的です。
- 課ごとに出てくる文法項目をしっかり学んで、練習問題もやってみましょう。
- 新出語彙も出てきますから意味をしっかり確認しましょう。
ここで、注意点として、単語を暗記しようと必死にならなくても大丈夫です。
文法や語彙や単語は、文と切り離して覚えてもあまり役に立ちません。
重要なのは、それらが会話や文の中でどう使われているかを見ながら理解することです。
それで、何をやればいいかと言うと、スクリプトを何度も何度も聞いて読むということを愚直におこなっていきます。
一回目は読んで全部忘れても大丈夫です。
むしろ、全部忘れましょう。
それで、もう一度1から勉強し直してください。
また、忘れたらもう一度読みましょう。
そうすると、次第に脳のほうが勝手に自分で記憶してくれるようになります。
このように、何回も同じ語彙や文法に出会ううちにだんだん自然に覚えることができます。
これが、効果的なベトナム語の勉強法です。
このステップではとにかく、あなたがお持ちの1冊のテキストを最後まで仕上げることに集中してください。
注意点として、効果を早く得ようとして、あまり先に先に進もうとしないことです。
こうしてテキストを全部終える頃には、あなたのベトナム語力は初中級の段階に達しているはずです。
ですが、使えるレベルにするには実際にベトナム人と会話してアウトプットしていくことが必要です。
ベトナム語中級のテキスト
これまで、しっかり中級を学べるベトナム語テキストがありませんでしたが、2021年9月に五味正信先生の人気シリーズ待望の新刊、「ベトナム語レッスン中級」が発売になりました。
初級を終えた方は、ここでもう1冊挟むのもいいかもしれません。
あるいは、この本をやりながら、次のステップ7を同時に行うこともできます。
2021年9月に新発売の待望のベトナム語レッスン 中級
独学ステップ⑦ベトナム語の多読多聴で語彙を増やす←今ココ
さて、ここからが終わりなき旅です。
スムーズによどみなく自由に会話していくには、語彙がわからなければなりません。
現地で生活すれば、語彙はどんどん増えていきますが、それでも意識して勉強していかなければ、まだまだ不自由です。
この段階で必要になってくるのは「多読多聴」という学習法です。
このステップで集中すること
「多読多聴」は、実際に使える外国語を身につけるのに、非常に効果的な方法です。
20言語以上を話せる有名なポリグロット(多言語話者)のスティーブ・カウフマンさんは、日本人と変わらないぐらい流暢に日本語を話されますが、最初からこの方法で日本語を含む他の言語をマスターした、と語っています。
多読の過程で、文章の中で、毎回新しい語彙に出会います。そのたびに、辞書で意味を確認します。
調べた意味はたぶんすぐ忘れます。そして、また別の文章で出会うことになります。わからなければ、またすぐ調べましょう。
そうやって、何度も出会う語彙は、次第に自然と覚えていくようになります。
また、文章を読んでいく過程で、正しい文法も自然に身についていきます。
>>ベトナム語がうまくなるのに辞書はいらない?やっぱりあったほうがいい?
>>【徹底比較】おすすめのベトナム語辞書は?【辞典はコスパ最強の先生である】
具体的な多読多聴の仕方
多読多聴の方法は大きく分けて2つあります。
- テキストを使う方法
- ベトナム語の読み物をたくさん読む方法
テキストを使う方法
中上級のベトナム語のテキストはほとんど出ていません。
このステップで使える、おすすめのテキストは「ベトナム語 速聴・速読・速解」という本です。
こちらの本は、4つの難易度に分けて全部で60のベトナム語の文章が掲載されていて、音声もダウンロードすることができます。
中上級の音声と文章が同時に掲載されている貴重な教材です。
各文章の長さは、1ページ程度で、ベトナム語らしい表現をどんどん体感していくことができます。
このテキストは主に、リスニング力アップのために作られていますが、文章を多読していくのにも使えます。
以下の本もおすすめです
ベトナム語の文章をたくさん読む方法
もう一つの方法は、何でもいいので自分の好きなテーマを扱った本や文章を読んでいくという方法です。
今は、ネットでベトナム語の生きた文章をいくらでも読むことができますので、自分で興味のある記事を選んで、どんどん意味を調べながら読んでいきましょう。
ただ、それらのネット上の記事には音声が付いていないため、読んでいる文章を多聴していくことができません。
しかし、多読していく中でわかる語彙がどんどん増えていきますので、ベトナム語のニュースや、他の音声コンテンツを聞くときに、だんだん理解できる範囲が増えていくのを実感することができます。
活用できるネット上の他の教材
もう一つのおすすめの教材は、日本の市区町村が出している刊行物、たとえば、「コロナに関する情報」「ゴミの出し方」などの日本語版とベトナム語版をダウンロードして比較しながら読むことです。
そのほかにもまだまだあなたのアイデア次第でいくらでも多読多聴の教材を見つけていくことができます。
このステップ7は終わりなき道です。
筆者のわたしも、今まさにこのステップの途上です。
一日の中でベトナム語学習にかけられる時間も限られているので、毎日少しずつですが、必ず何かベトナム語のものを読むようにしています。そして、毎日必ず新たな知らない語彙に出会います。
その小さな積み重ねで、何年か前の自分と比べるとかなりベトナム語の語彙が増えていることに気づきます。
ベトナム語の意味を調べるのに必要な辞書は?
本気でベトナム語を伸ばしたければ、辞書は必須です。
なぜならこのステップでは、とにかく語彙を豊富にしていくことが欠かせないからです。
言葉にはたいてい、用法が2つ、3つありますが、グーグル辞書や、アプリの辞書は一つの語彙に対して一つの意味しか示せません。グーグル辞書で調べようとしても精度が低いです。
そのため、自分の知りたい正確なニュアンスを知ることができません。
また、辞書には漢越語も載っているので、より理解が深まります。
おすすめは「CJKI越日辞典」というアプリの辞書です。漢越語もついていて非常に便利です。2024年12月時点で900円です。
市販の越日辞書
現状で、中級以上のレベルで使える辞書は以下の3種類しかありません。
見出語約2万5000語
言葉が古い
ほぼ絶版状態
語彙は豊富
見出し語約12,000項目
説明が詳細
学習者用辞書
調べても載っていない言葉が多い
2023年に増補改訂版が発売!
見出し語5万5000語
現状、最強のベトナム語辞書
説明も語彙も豊富
ただし、高額
わたしは越日日越合本辞典と五味版学習者用ベトナム語辞典を愛用しています。
ベトナム語オンライン辞書
- Glosbeというオンライン辞書は、おすすめです。辞書と並行していつも使っています。いろいろな用法がはじき出されて、ベトナム語の中でどのような文脈で使われているのか知ることができます。
- ベトジョーのオンライン辞書も8万語あって使えます。
- Weblioベトナム語辞典というオンライン辞典もありますが、網羅している語彙が1万語とかなり少なめです。
- グーグル翻訳は辞書としては精度が低いです。
まとめ
それではこの記事のまとめです。
ベトナム語マスターという途方もなく遠いゴールに向かうため、7つのステップに分けて、小さな目標をクリアして、小さな達成感を味わいながら、ベトナム語学習を楽しみましょう。
そのステップは以下の7つです。
- ステップ1 文字の読み方を知る
- ステップ2 ベトナム語の6つの声調を覚える
- ステップ3 簡単なフレーズを覚えてみる
- ステップ4 母音の発音を徹底トレーニング
- ステップ5 子音の発音を徹底トレーニング
- ステップ6 ベトナム語の教科書で一通りベトナム語の文法の概要と必須語彙を知る
- ステップ7 多読多聴を繰り返し、語彙を増やしていく
この記事が皆さんのベトナム語学習のお役に立てば幸いです。
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