ベトナム語の文字についてるあの発音記号みたいなのは何?ぜんぶ声調記号?

Vietnamese-pronunciation-marks

ベトナム語の文字についている帽子みたいなのとか、はてなマークみたいなのとか、あれが声調記号ですか?

タイベオ先生

â とか   のことですね。

タイベオ先生

 は声調記号ですが、â は母音記号なんです。

??? ややこしいですね、、、

ベトナムの公用語であるベトナム語はラテン文字のアルファベットを使います。

よく見ると、傘をかぶったようなの( â )だとか、はてなマークみたいなの( hỏi )とか、ひげがついたようなマーク( thương )とか色々あります。

これらは何の記号でしょうか?

ベトナム語はアクセントの高低で発音や意味が変わる「声調言語」なので、

ă や â などをみて「これって声調記号?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ベトナム語のアルファベットにつく符号は、

母音の口の開き方や長短を表す母音記号と音の高低を表す声調記号の2種類があります。

そう、声調記号だけでなくて母音を区別するための記号もあります。

では、どれが母音記号で、どれが声調記号なのでしょうか。

この記事では、ベトナム語が全くはじめての方のために、ベトナム語のアルファベットについているさまざまな記号についてじっくり解説していきます。

この記事を読むと、
  • ベトナム語のアルファベットについている、記号の意味がわかります。
  • 声調記号と母音記号を整理して理解できます。
目次

ベトナム語の声調を表す記号は全部で5種類あるよ

Vietnamese-Tone-Marker

では、まずは声調記号から見ていきましょう。

みなさんすでにご存知かもしれませんが、ベトナム語には6種類の声調があります。

「あれ、声調は6種類あるのにどうして記号は5種類なの?」

と思われたかもしれません。

じつは、「声調記号がつかない声調」というのがあって、これも一つの声調として区別されているのです。

ではそれぞれ、声調記号にどんな意味があるか見てみましょう。

ベトナム語の声調記号の意味と呼び方

声調記号のことを現地の人は  dấu =ゾウ(南部:ヨウ)と呼んでいます。

ベトナム人と話していると、

「ベトナム語は dấu があるから難しいだろう?」とよく言われます。

dấu とは「しるし」という意味で、

dấu のあとに、それぞれの声調の代表となる言葉を付けて、その記号の呼び名にしています。

声調の代表言葉

dấu +  huyền(女の人の名前), hỏi(尋ねる), ngã(倒れる), sắc(鋭い), nặng(重い)

実はその代表となっている言葉( hỏi や ngã など)の意味が、声調の上がり下がりのイメージとだいたい同じなのでベトナム人にとって覚えやすいのです。

声調記号
thanh ngang 平らな声調ma
dấu huyền 下がる声調
dấu hỏi 尋ねる声調mả
dấu ngã 倒れる声調
dấu sắc 鋭い声調
dấu nặng 重い声調mạ
ベトナム語の声調記号

ベトナム語で「声調」は  thanh điệu といいます。
テキストの中では、声調の呼び方を dấu の代わりに  thanh + 代表言葉 で表しているものも多いですが、意味は同じです。

thanh ngang タイン (ン)ガン

真っ直ぐで平らな発音に関しては  thanh ngang(横)もしくは thanh không(無い)といいます。

発音は、普通の高さより少し上からまっすぐに発音します。

dấu huyền ゾウ フエン

この記号は、左上からななめにストンと下降する線のかたちをしています。

下がる声調の記号です。

dấu hỏi ゾウ ホォイ

この記号は、クエスチョンマークのようなかたちをしています。

hỏi とはベトナム語で「尋ねる」という意味で、「なあに?」と尋ねているようなイメージの声調です。

地域や人によってだいぶ発音の仕方が異なるんですが、

一度ふわっと下がってまたふわっと上がってくるような声調の記号です。

dấu ngã ゾウ ガー(ガッア)

この記号は、波のようなかたちをしていています。

ちょうど、この記号のかたちのように、下で詰まって、クイッと上に上がるイメージの声調です。

ngã は「倒れる」という意味ですが、こけるときの動きのイレギュラーさがこの声調のイメージに合っているなと個人的に思います。

dấu sắc ゾウ サック

この記号は、左下から右上に上がる線のかたちをしています。

上に鋭く上がる声調です。

dấu nặng ゾウ ナン

点のかたちをしたこの記号だけは、文字の下につきます。

nặng は「重い」という意味ですが、発音も重く下につまらせるようにして発音する声調です。

ベトナム語の母音を表す記号は3種類だけ

Vietnamese-Vowels-Symbols

次に、ベトナム語の母音記号を見ていきましょう。

なぜ、母音記号が必要になるかと言うと、

ベトナム語は母音が全部で11(12)あって、アルファベットだけでは書き表せられないからです。

a が3種類、 e が2種類、 i は1種類(長い i を y と表記)、 o が3種類、 u が2種類あります。

使う記号は以下の3種類です。

vietnamese-vowels-symbols

イメージは、

  • 頭の上に皿が乗ったもの
  • 頭の上に帽子(傘)をかぶったもの
  • 口にひげが生えたもの

と、覚えてください。

「頭に皿」は短母音

「頭の上に皿」が乗っかったような記号  ă は 短い母音であるという意味です。

これが使われるのは ă の一つのみです。

「頭の上に帽子」は狭い母音

「頭の上に帽子」をかぶったものは、口を狭くして発音する母音であるという意味です。

これが使われるのは â ê ô の3種類です。

「口にひげ」は口をすぼめない母音

「口にナマズのひげ」がついた母音は、口をやや半開きで発音する母音であるという意味です。

これが使われるのは、 ơ ư  の2種類です。

ベトナム語の母音
a
ă
â
e
ê
i
o
ô
ơ
u
ư

番外編:横棒のつく Đと普通のDの違いって何?

さて、これ以外に横棒のつく ĐとつかないDの違いについて最後に触れておきましょう。

横棒のつかない  D

横棒のつかない  D は頭子音として単語の頭につけて用いられます。

その時の発音は、北部は ザ行、南部は ヤ行で発音します。

例:  áo dài  アオイ・アオ

横棒のつく Đ

横棒のつく Đ も頭子音として単語の頭につけて用いられますが、

違いは英語のアルファベットと同じく、北部も南部も ダ・ディ・ドゥ・デ・ド と発音します。

例: Đúng rồi(その通り)   ドゥン ロイ

まとめ

ベトナム語のアルファベットについている記号について、詳しく見てきました。

これらは、発音を表す符号です。

大きく分けて2種類あって

  • 声調記号 5つ
  • 母音記号 3つ

に分けられます。

記号は原則、母音の上か下に付きます。
二重母音の場合は、アクセントがつくほうの母音のほうにつけます。
子音の上には付きません。

最初は大変だと思いますが、あくまで「発音記号」なので、まずは発音のルールについて知らなければ読むことができません。

ぜひ、時間をとって、ベトナム語の発音にもチャレンジしてみてくださいね。

Xin cảm ơn

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