ハノイのホアロー刑務所(収容所)レビュー!博物館として見応えがあった

ホアロー刑務所(収容所)は博物館として意外と見応えがあった

ホアロー刑務所は、ベトナムの首都ハノイにある歴史的ランドマークです。ハノイ中心部ホアンキエム区に位置し、市内の主要な観光スポットからアクセスしやすい場所にあります。

筆者は個人的に「刑務所」と聞くと、残酷で嫌なイメージがあるので長年敬遠していましたが、ハノイ在住9年目にして初めて訪れる機会がありましたので、レビューしたいと思います。

実は、ホアロー刑務所は思っていたよりも博物館として意外と見応えがあるな、という印象で、フランス統治時代のベトナムの歴史について体験し、貴重な資料を見学できます。

歴史好きの方には、訪れる価値のあるスポットです。

タイベオ先生

ではホアロー刑務所が「この世の地獄」と呼ばれたその理由を紐解いてみましょう。

   

目次

ホアロー刑務所(ホアロー収容所)とは?

ホアロー刑務所はハノイ中心部、ホアンキエム区にある

ホアロー刑務所(Hỏa Lò Prison)は、ベトナムの首都ハノイにある歴史的な建造物です。ホアロー収容所とも呼ばれます。

もともとフランス植民地時代に建設され、ベトナム戦争中には北ベトナム政府によって使用されました。ベトナム戦争後、刑務所は閉鎖され、現在は博物館として一般公開されています。

ホアロー刑務所に収容された人々は、悪いことをして捕まった一般的な犯罪者というよりは、特定の政治的・軍事的状況に関与していた人々です。

ホアロー刑務所の使用歴史は、主にフランス植民地時代ベトナム戦争中の北ベトナムによる使用と、二つの時期に分かれます。

そのため刑務所は、その時代の政治的な抑圧や軍事的対立の象徴とも言えます。ホアロー刑務所は、ベトナムの歴史の中で重要な役割を果たし、今日ではその過去を反映する重要な文化遺産となっています。

「ホアロー刑務所」はベトナム語で Nhà tù Hỏa Lò と言います。

Nhà tù =刑務所

ホアロー刑務所をレビュー

ホアロー刑務所

ホアロー刑務所のアクセスは、旧市街、ホアンキエム湖からも近く歩いても行ける距離です。

住所:1 P. Hoả Lò, Trần Hưng Đạo, Hoàn Kiếm, Hà Nội, Việt Nam

営業時間:8:00-17:00 年中無休

チケット売り場は入り口の左にあります。

チケットは1枚3万ドン=約180円(30.000VND)。シニアや学生などベトナム国民には半額の割引あり。15歳以下の子供は無料。外国人にも適用されるかはわかりません。

ホアロー刑務所のチケット売り場

ヘッドホンの解説サービスを利用する人は中に入って右側の部屋で受け付けています。英語、ベトナム語、日本語など各国語あり。料金は10万ドン=590円(100.000VND)。

ヘッドホンの解説サービスを利用する人は中に入って右側の部屋で受け付けています
ヘッドフォンのオーディオガイドは各国語で聞ける
タイベオ先生

チケットの3倍以上の値段がしますが、半分以上の客が利用していました。

若い学生らしき子達も、ヘッドホン解説聞きながら熱心に見学していましたよ。

入り口を入ると、ここが刑務所になる前の村の様子が紹介されています。

元々この地区は、Phụ Khánh村に属し、陶磁器の名産地だったようです。Hỏa lò という名前は焼き物を焼く「かまどの炉」という意味で、その後、皮肉にも「地獄の炉」として名を刻むことになります。

刑務所さえできなければ、この土地はバッチャン村のような陶磁器の名産地になっていたかもしれません。

見どころ

ホアロー刑務所は囚人たちの様子が再現されています

刑務所の建物自体が見どころで、当時のフランス植民地時代の建築スタイルを反映しています。

原状保存された独房や共同房など、刑務所の内部構造を見ることができます。

当時のトイレ、囚人たちの様子が再現されています。

檻房の中に、入ることもできます。

原状保存された独房や共同房など、刑務所の内部構造を見ることができます。
檻房に閉じ込められる体験ができる

フランス植民地時代やベトナム戦争中の収容生活を描いた展示物や写真が豊富にあり、刑務所での生活や受刑者の扱いに関する資料も展示されています。

古い拘束具や拷問器具など、当時の刑務所で使用された道具も展示されています。

全体を通して、ベトナムの歴史、特に植民地時代とベトナム戦争の影響について学ぶことができる教育的な体験が提供されています。

ゆっくり回ると1時間以上はかかるほどのボリュームです。歴史が好きな人にはおすすめのスポットです。

ホアロー刑務所が使用された期間

ホアロー刑務所の使用歴史は、大きく分けて二つの時期、フランス植民地時代とベトナム戦争中の北ベトナムによる使用の時期に分かれます。

フランス植民地時代の建設と使用

ホアロー刑務所は、1896年にフランス植民地政府によって建設されました。当初の目的は、反植民地活動に関与するベトナム人を拘束することでした。

フランス統治時代には、政治犯や独立運動家が収容されていました。この時期の刑務所は非常に厳しい条件で知られ、多くの収容者が拷問やひどい扱いを受け、不衛生な環境で多くの人が病気で死んでいきました。

男性だけでなく多くの女性活動家も収容され、博物館内では祖国を愛した英雄として、写真とともに個々のエピソードと経歴が紹介されています。

ホアロー刑務所は、フランスがディエンビエンフーの戦いで敗北した後、1954年のジュネーブ協定によりフランスからベトナムに返還されました。

ベトナム戦争中

1950年代から1970年代にかけて、ホアロー刑務所は北ベトナム政府によって使用され、主にアメリカ軍のパイロットが捕虜として収容されました。

この時期、アメリカ軍の捕虜たちはこの場所を「ハノイ・ヒルトン」と皮肉を込めて呼んでいました。

ホアロー刑務所の展示内容は、アメリカ捕虜が解放される直前の楽しそうな様子だけが主に展示されていて、捕虜を虐待したことについてはあえて触れられていませんでした。

まとめ

今回は、ハノイのマイナーな観光スポット、ホアロー刑務所についてご紹介しました。

ベトナムに在住の方や、ハノイに何度も来られている方にとっては訪れてみてもいいスポットかもしれません。決して、爽やかな場所ではありませんが、人間の行ってきた不公正の歴史を考えさせる良い機会になりました。

また、あまり知る機会のないフランス統治時代のベトナムの歴史について触れる機会にもなります。

もし、機会があればぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

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