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ベトナム語で「元気でね」「お元気で」「体に気をつけて」長い別れに使えるフレーズ集

ベトナム語で「お元気でね」と言って別れている場面

ベトナム人の友達が帰国しちゃうんだけど、ただのさようならじゃなくて、「元気でね」とか「体に気をつけて」ってベトナム語でなんて言えばいいんだろう?

ベトナム人の友達や同僚が母国へ帰る日、技能実習生が日本での生活を終えて帰国する日、ベトナムから一時帰国する自分自身が空港へ向かう前。長い別れの場面で、ありきたりな「さようなら」だけでは何だか物足りないと感じる瞬間がありますよね。

特にベトナム人は別れ際に相手の健康や幸せを願う言葉をかける文化があるので、こちらからも温かい一言を添えてあげたいところです。

実は、ベトナム語の長い別れの挨拶は「健康を願う言葉」「幸せや成功を祈る言葉」「また連絡しようねという言葉」の3つの引き出しを持っておけば、たいていの場面に対応できます。

教科書には載っているけれど現地ではほぼ聞かない古風な表現もあるので、ベトナム人が実際に口にする自然な表現を知っておくと、相手に違和感なく気持ちを届けることができます。

この記事では、ハノイの日本語センターで日本へ旅立つ生徒たちを何度も送り出してきた筆者が、現地で本当に使われている長い別れのベトナム語フレーズを解説します。

タイベオ先生

技能実習生やベトナム人の友人を温かく送り出したい方、ベトナム在住で一時帰国や帰任のときに気持ちを伝えたい方の参考になれば嬉しいです。

この記事でわかること
  • 「元気でね」「お元気で」を伝えるベトナム語フレーズ
  • 「体に気をつけて」をベトナム語らしく自然に言おう
  • 日本語センターで生徒に実際にかけていた「幸せと成功を祈る」温かいフレーズ
  • 「気をつけて帰ってね」の言い方
  • 教科書には載っているのに現地ではほぼ聞かない古風な別れの言葉

ベトナム語で「お大事に」の言い方については以下の記事に移行しました。

目次

ベトナム語で「元気でね」「お元気で」は何と言う?

ベトナム語で「元気でね」はGiữ gìn sức khỏe nhé. 

長い別れの場面で最も使われる「元気でね」「お元気で」は、ベトナム語ではこう言います。

Giữ gìn sức khỏe nhé!
ヅー ジン スックホエー ニェー
元気でね! / お元気で!

giữ gìn は「保つ・守る」、sức khỏe は「健康」という意味なので、直訳すると「健康を保ってね」になります。日本語の「元気でね」「お元気で」「元気でいてね」のニュアンスをほぼカバーできる、長い別れの場面の核フレーズです。

ベトナム人の友達や同僚と長く会えなくなる場面で、この一言をベトナム語で添えるだけで、相手の表情がパッと和らぎます。

Giữ gìn sức khỏe nhé! 友達同士で使える定番表現

文末の nhé (ニェー)は「〜でね」「〜だよ」というやわらかい語気を作る言葉で、これをつけることで親しみのこもった表現になります。

タイベオ先生

日本語の「ね」みたいな感じです

友達や同僚、年下の相手に対しては、この Giữ gìn sức khỏe nhé! がそのまま使えます。

Giữ gìn sức khỏe nhé! 元気でね!

Bạn nhớ giữ gìn sức khỏe nhé.
元気でいてね。
(nhớ=覚えておく、忘れないで)

nhớ を入れることで「ちゃんと覚えていてね、健康に気をつけてね」という、念押しのニュアンスが加わります。長い間会えなくなる相手に対しては、こちらの方がより気持ちがこもります。

Xin giữ gìn sức khỏe 目上の人やフォーマルな場で

ベトナム語で「体に気をつけてください」はXin giữ gìn sức khỏe !

目上の人や、ビジネスの場できちんと挨拶したい場合は、文頭に Xin をつけます

Xin giữ gìn sức khỏe.
シン ヅー ジン スック ホエー
お元気で。/ お体に気をつけてください。

Xin は文頭につけて表現を丁寧にする言葉で、日本語の「どうぞ」「お〜ください」に近い役割を果たします。フォーマルなメッセージカードや、目上のベトナム人にお別れの言葉を伝える場面で重宝します。

なお、相手の人称代名詞 (anh、chị、em、bácなど) を文中に入れると、さらに気持ちのこもった表現になります。

Anh giữ gìn sức khỏe nhé.
お兄さん、元気でいてくださいね。

Chị nhớ giữ gìn sức khỏe.
お姉さん、健康に気をつけてくださいね。

人称代名詞の使い分けについては、ベトナム語で「あなた」と「私」を使い分ける簡単なコツ【人称代名詞】で詳しく解説しています。

nhé を付けるだけで「〜でね」のやさしい響きになる

ベトナム語の nhé は、文末につけるだけで「〜でね」「〜してね」というやわらかい響きを作る、便利な語気詞です。

Giữ gìn sức khỏe. (健康を保ってください。)

→ Giữ gìn sức khỏe nhé! (元気でね!)

nhé がついていない方は、説明文のような少し硬い印象になりますが、nhé をつけるだけで会話らしい温かみが出ます

別れの場面に限らず、相手にお願いごとをするときや、友達に「〜してね」と気軽に声をかけたいときにも頻繁に登場するので、覚えておくと表現の幅が一気に広がります。

ベトナム語で「体に気をつけて」は何と言う?

体に気をつけて」も、長い別れの場面でよく使うフレーズです。実はこちらも、先ほどの Giữ gìn sức khỏe がそのまま使えます。

ただ、「体に気をつけて」と言いたいときにもう一つ覚えておくと便利な表現があります。

Hãy chú ý đến sức khỏe.
ハイ チューイー デン スック ホエー
体に気をつけてください。

hãy は「〜てください」、chú ý đến は「〜に気をつける」、sức khỏe は「健康」という意味です。

このフレーズの面白いところは、chú ý が漢越語で、漢字で書くと「注意」になることです。

タイベオ先生

日本語の「注意する」とまったく同じ意味なので、日本人には覚えやすい表現ですね。

直訳して「体」と言うと不自然なベトナム語になる

ここで一つ落とし穴があります。

「体に気をつけて」を Google翻訳に入れると、こんなベトナム語が出てくることがあります。

× Hãy chăm sóc bản thân mình.  (直訳:自分自身を自分で養ってください)

文法的に間違いではありませんが、ベトナム人からすると「この人、何で急にそんな堅苦しい言い方を?」となる、ちょっとぎこちないベトナム語です。

ベトナム語らしく自然に伝えるコツは、「体」と直訳せずに「健康(sức khỏe)」という言葉を使うことです。

「体に気をつける」=「健康を保つ・健康に注意する」と発想を変えるだけで、自然なベトナム語になります。

Hãy chú ý đến sức khỏe.
ハイ チューイー デン スック ホエー
体に気をつけてください。

季節の変わり目に使える応用フレーズ

ハノイは冬になるとぐっと冷え込み、夏は猛暑が続きます。季節の変わり目には体調を崩しやすいので、こんな声かけをすると相手は「気にかけてくれているな」と感じてくれます。

Dạo này thời tiết thay đổi nên chị nhớ giữ gìn sức khỏe kẻo ốm.
最近は季節の変わり目だから、健康に気をつけてくださいね、病気にならないように。

dạo này(最近)、thời tiết(天気・気候)、thay đổi(変化する)、nên(だから)、nhớ(覚えておく・忘れないで)、kẻo(〜しないように)、ốm(病気)

少し長いフレーズですが、別れ際だけでなく、メッセージのやり取りや SNS のコメントでも使える便利な型です。

ベトナム人は健康に関する声かけを大切にするので、「Dạo này thời tiết thay đổi nên…(最近、季節の変わり目だから…)」と前置きを添えるだけで、グッと地元の人らしい表現になります。

ベトナム語で「幸せを祈る」長い別れの言葉

健康を願う言葉だけでなく、長い別れの場面では相手の幸せや成功を祈る言葉も添えると、気持ちがぐっと深く伝わります。

ベトナム人は別れ際に「これからの人生に幸あれ」「成功しますように」と相手の未来を祝福する文化があります。日本語の「お元気で」だけでは伝えきれない温度感を、ベトナム語のフレーズで表現できるようになると、別れの言葉がぐっと豊かになります。

このセクションで紹介するフレーズは、筆者がハノイの日本語センターで日本へ旅立つ生徒たちに何度もかけてきた言葉です。

Chúc em gặp nhiều niềm vui và hạnh phúc たくさんの幸せに出会ってね

幸せを祈る言葉の中で、筆者が一番よく使ってきたのがこのフレーズです。

Chúc em gặp nhiều niềm vui và hạnh phúc.
チュック エム ガップ ニエウ ニエム ヴーイ ヴァー ハインフック
たくさんの喜びと幸せに出会ってね。

chúc(〜を祈る・〜を願う)、gặp(出会う)、nhiều(たくさん)、niềm vui(喜び)、và(と)、hạnh phúc(幸せ)

直訳すると「あなたがたくさんの喜びと幸せに出会うことを祈ります」となります。日本語の「たくさんの幸せに出会ってね」というニュアンスにぴったりはまる表現で、新しい土地へ旅立つ人を送り出す場面に最適です。

em の部分は、相手に合わせて anh、chị、bạn、bác などに置き換えてください。

Chúc em thành công 成功を願う言葉

新しい挑戦に向かう相手には、成功を願う言葉を添えてあげましょう。

Chúc em thành công.
チュック エム タインコン
あなたの成功を願います。

thành công は漢越語で、漢字で書くと「成功」です。日本語と同じ意味・同じ漢字なので、覚えやすいですね。

仕事関連の別れの場面では、もう少し具体的に願う形もあります。

Chúc em thành công trong công việc mới.
新しい仕事での成功を祈ります。

Chúc em luôn mạnh khỏe và thành công.
いつも健康で、成功されますように。

最後の Chúc em luôn mạnh khỏe và thành công は、健康と成功を一度に祈れる便利なフレーズで、ビジネスのお別れの挨拶やメッセージカードにもよく使われます。

【体験談】日本語センターで生徒に送った別れの言葉

筆者は以前、ハノイの日本語センターで日本語講師をしていた時期があります。日本へ技能実習や留学で旅立つ生徒たちを、何度も送り出してきました。

20歳前後の女の子のクラスもあれば、男女混合のクラスもあり、行き先はさまざま。共通しているのは、彼らが日本に渡って3年は故郷へ帰れないということでした。

日本語センターという場所柄、生徒たちは日本語が話せます。だから別れの挨拶も日本語で済ませてしまえる環境です。それでも筆者は、最後の授業の最後の瞬間だけは、必ずベトナム語で声をかけるようにしていました。

Em giữ gìn sức khỏe nhé.
元気でね。

Chúc em gặp nhiều niềm vui và hạnh phúc ở Nhật Bản.
日本でたくさんの幸せに出会ってね。

Đừng quên thầy nhé.
先生のこと忘れないでね。

Nhớ giữ liên lạc nhé.
連絡ちょうだいね。

どれもありきたりな言葉です。教科書の最初の方に出てくるようなフレーズばかりです。

それでも、ベトナム語でこれを言うと、生徒たちは必ず握手を求めて、目を輝かせて喜んでくれました。日本語で同じ内容を伝えたときとは明らかに反応が違うのです。

母国語で送り出されることが、これから知らない土地へ向かう若者たちにとってどれだけ心強いか、その表情から伝わってきました。

技能実習生やベトナム人の友人を送り出す立場の方は、ぜひこの3〜4フレーズだけでも覚えてみてください。ありきたりな言葉でも、ベトナム語で伝えることに意味があります

「また連絡してね」連絡を取り合うベトナム語

長い別れの場面で、健康や幸せを祈る言葉と並んで欠かせないのが「また連絡してね」「連絡取り合おうね」というフレーズです。

ベトナム人は SNS や Zalo(ベトナム版 LINE)でのやり取りが大好きで、別れ際には必ずと言っていいほど「連絡しようね」と声をかけ合います。離れていても繋がっていたいという気持ちを、ベトナム人は素直に言葉にする文化があります。

物理的に会えなくなっても、関係を続けていきたいという気持ちを伝えるフレーズを覚えておきましょう。

Hãy giữ liên lạc nhé! 連絡取り合おうね

連絡を取り合うことを伝える、最も自然な定番フレーズがこちらです。

Hãy giữ liên lạc nhé!
ハイ ヅー リエンラック ニェー
連絡取り合おうね!

hãy(〜してね)、giữ(保つ)、liên lạc(連絡・連絡を取る)、nhé(〜でね)

liên lạc は漢越語で、漢字で書くと「連絡」。日本語と同じ意味・同じ漢字なので、これも覚えやすい単語です。

直訳すると「連絡を保ってね」となり、「これからもやり取りを続けようね」という温かいニュアンスを持っています。友達同士、同僚同士、別れ際のメッセージカードなど、どんな場面でも違和感なく使えます。

Có gì nhắn tin cho mình nhé 何かあったらメッセージしてね

もう少しカジュアルに、SNS のやり取りを意識した言い方もよく使われます。

Có gì nhắn tin cho mình nhé.
コー ジー ニャンティン チョー ミン ニェー
何かあったらメッセージしてね。

có gì (何かあったら)、nhắn tin (メッセージを送る)、cho mình (私に)、nhé (〜でね)

nhắn tin は「メッセージを送る」という意味で、Zalo や Facebook Messenger でのやり取りを指す、現代のベトナム人がよく使う言葉です。「Có gì」は「何かあったら」「困ったことがあったら」という気軽な前置きで、相手にプレッシャーをかけずに連絡を促せる便利な表現です。

技能実習で日本に渡るベトナム人や、日本から帰国するベトナム人の友達に「困ったときはいつでも連絡してね」という気持ちを伝えるのにぴったりのフレーズです。

組み合わせて使う場合は、こんな形も自然です。

Giữ gìn sức khỏe nhé. Có gì nhắn tin cho mình nhé.
元気でね。何かあったらメッセージしてね。

Hãy giữ liên lạc nhé. Mình sẽ luôn nhớ bạn.
連絡取り合おうね。私はずっとあなたのことを覚えています。

健康を祈る言葉とセットで使うと、別れの挨拶として完成度が一気に上がります。

「気をつけて帰ってね」道中の安全を願うベトナム語

別れ際にもう一つよく使うのが「気をつけて帰ってね」「運転気をつけてね」という、道中の安全を願う言葉です。

ハノイは日本に比べてバイクの数が圧倒的に多く、交通事情も決して安全とは言えません。だからこそベトナム人同士は、家を出るときや別れ際に「cẩn thận(気をつけてね)」と声をかけ合うのが日常です。

このセクションで紹介するフレーズは、これまで紹介してきた「健康を願う言葉」とは少し違う角度から、相手の安全を気遣う表現になります。

Em đi đường cẩn thận nhé! 気をつけて帰ってね

道中の安全を願う、最も使い勝手のいい定番フレーズです。

Em đi đường cẩn thận nhé!
エム ディー ドゥオン カンタン ニェー
気をつけて帰ってね!

em (あなた)、đi (行く)、đường (道)、cẩn thận (気をつける・注意深く)、nhé (〜でね)

直訳すると「気をつけて道を行ってね」となり、これから道を歩いて・運転して帰る相手にかける一言として最適です。

ここで覚えておきたいのが cẩn thận という単語です。漢越語で、漢字で書くと「謹慎」。日本語の「謹慎」とは少しニュアンスが違って、ベトナム語では「注意深い」「慎重な」という意味で使われます。

主語の em は、相手に合わせて anh、chị、bạn、bác などに変えてください。

Hãy lái xe cẩn thận nhé! 運転気をつけてね

バイクや車を運転して帰る相手には、より具体的にこちらの表現を使います。

Hãy lái xe cẩn thận nhé!
ハイ ライセー カンタン ニェー
運転、気をつけてね!

hãy (〜してね)、lái (運転する)、xe (乗り物)、cẩn thận (気をつける)、nhé (〜でね)

ハノイの夜道は街灯が少ない場所も多く、雨の日のバイク運転は特に危険です。ベトナム人の友達がバイクで帰る場面では、ぜひこの一言をかけてあげましょう。

応用としてこんな形も自然です。

Trời tối rồi, em lái xe cẩn thận nhé.
もう暗いから、運転気をつけてね。

Mưa to lắm, hãy đi đường cẩn thận nhé.
雨が強いから、気をつけて帰ってね。

天候や時間帯への気遣いを一言添えるだけで、ベトナム人らしい温かい声かけになります。

cẩn thận と giữ gìn sức khỏe の使い分け

ここまで「健康を願う」giữ gìn sức khỏe と、「道中の安全を願う」cẩn thận の2つを紹介してきましたが、この2つは使い分けに注意が必要です。

表現意味使う場面
giữ gìn sức khỏe健康を保ってね長い別れ・体調を気遣う場面
cẩn thận注意深く・気をつけて道中の安全・物理的な危険を避ける場面

例えば、長い間会えなくなる相手に「Em cẩn thận nhé!」とだけ言うと、「何か危険なことが待っているの?」という違和感を持たれてしまいます。逆に、これから家に帰るだけの相手に「Giữ gìn sức khỏe nhé!」と言うと、ちょっと大げさな響きになります。

シンプルに整理すると、こんな使い分けです。

  • 長い別れ(数か月〜数年会えなくなる)→ Giữ gìn sức khỏe nhé!
  • その日のうちに帰る別れ(これから帰宅する・運転する)→ Em đi đường cẩn thận nhé!

両方を組み合わせて使う場面ももちろんあります。

Em đi đường cẩn thận nhé. Giữ gìn sức khỏe.
気をつけて帰ってね。元気でね。

長い別れの場面で、相手がこれから空港まで運転して向かうなら、両方をセットで伝えるのが最も自然です。

「気をつけて行ってください」旅立つ人へのベトナム語

これから飛行機に乗って旅立つ人、長期の出張や留学に出発する人を見送る場面では、また違ったフレーズを使います。

「気をつけて帰ってね」が目的地に戻る相手に向けた言葉だったのに対し、ここで紹介するのは新しい場所へ向かう相手を送り出す言葉です。空港で手を振る瞬間、SNSで「明日出発します」というメッセージへの返信、そんな場面で使えるフレーズを見ていきます。

Chúc bạn có chuyến đi thuận lợi! よい旅を

旅立つ人にかける言葉として、最もよく使われる口語的なフレーズです。

Chúc bạn có chuyến đi thuận lợi!
チュック バン コー チュエンディー トゥアンロイ
よい旅を!

chúc (〜を祈る)、bạn (あなた)、có (ある・持つ)、chuyến đi (旅・道のり)、thuận lợi (順調な)

thuận lợi は漢越語で、漢字で書くと「順利」。日本語の「順調」に近い意味で、「スムーズに事が進みますように」というニュアンスを持っています。

旅行に出かける友達、出張に向かう同僚、留学のため空港に向かう生徒。どんな相手にも違和感なく使える便利なフレーズです。

bạn の部分は、相手に合わせて anh、chị、em などに置き換えてください。

Chúc bạn có chuyến đi bình an!|道中ご無事で

もう少し「安全」を強調したいときには、bình an という言葉を使います。

Chúc bạn có chuyến đi bình an!
チュック バン コー チュエンディー ビンアン
道中ご無事で!

bình an は漢越語で、漢字で書くと「平安」。日本語の「平安」とほぼ同じ意味で、「安らかで無事」というニュアンスを持っています。

長距離移動や、海外への渡航のように少し心配が伴う旅立ちの場面では、thuận lợi (順調)よりも bình an (平安)の方がしっくりきます。

応用としてこんな形も自然です。

Chúc anh thượng lộ bình an, công việc thuận lợi.
道中ご無事で、お仕事も順調でありますように。

Chúc em chuyến bay bình an.
フライト、ご無事で。

chuyến bay」は「フライト」「飛行機の便」という意味なので、空港で見送る場面ではこちらを使うとより具体的な気遣いが伝わります。

旅立つ相手に健康を祈る言葉と組み合わせると、別れの挨拶としての完成度が高まります。

Chúc em chuyến bay bình an. Giữ gìn sức khỏe nhé.
フライト、ご無事で。元気でね。

技能実習で日本へ旅立つベトナム人を空港で見送る場面で、ぜひ使ってあげてください。

Thượng lộ bình an・Bảo trọng nhé!

ベトナム語の古風な別れの表現

ここまで紹介してきたフレーズが、現代のベトナム人が日常的に使う自然な別れの言葉です。

ベトナム語を勉強していると、もう2つ、長い別れの場面で出会う表現があります。

Thượng lộ bình an (上路平安)と Bảo trọng nhé! (保重)の2つです。

漢越語の響きを持つ古風なフレーズで、辞書を引くと出てきますし、ベトナムの街角や映画のセリフで耳にすることもあります。ただ、日常会話で気軽に使うフレーズかというと、ちょっと事情が違います。

このセクションでは、この2つが実際の現地でどう使われているのか、ハノイ在住者の感覚で解説します。

Thượng lộ bình an は看板で見る古い決まり文句

Thượng lộ bình an は「気をつけて行ってください」「道中ご無事で」という意味の古風な表現です。

Thượng lộ bình an.
トゥオンロー ビンアン
道中ご無事で。

thượng lộ は漢字で書くと「上路」、つまり「旅立ち」「道に上る」という意味の古風な漢越語です。bình an(平安)と組み合わせて「旅立ちの安全を願う」決まり文句として使われてきました。

ハノイに10年以上住んでいる筆者の感覚で言うと、ベトナム人がこのフレーズを口に出しているのを、日常会話の中で耳にしたことはほとんどありません。

ではどこで見かけるかというと、バスターミナルの壁や看板、空港のスローガン、年賀状の挨拶文など、書き言葉として登場する場面が圧倒的に多いのです。日本で言えば「ご安全に」を看板で見ることはあっても、友達同士の会話で口にしないのと似た感覚かもしれません。

覚えておくと、ベトナムの街角で看板を読めるようになる楽しみが増えます。ただし、実際の別れの場面で口頭で使うフレーズとしては、前のセクションで紹介した Chúc bạn có chuyến đi thuận lợi! や Chúc bạn có chuyến đi bình an! の方が自然です。

Bảo trọng nhé! は辞書で「古風で格式ばった」と定義

もう一つが Bảo trọng nhé! です。

Bảo trọng nhé!
バオチョン ニェー
お元気で。/お体を大切に。

bảo trọng は漢字で書くと「保重」。「身体を大切に保つ」という意味で、相手の健康を願う表現として紹介されることがあるフレーズです。

このフレーズはベトナム語の辞書で調べると、興味深い注釈がついています。

ベトナムのオンライン辞書で bảo trọng の項目を見ると「(cũ, trang trọng)」という分類が明記されています。これは「古風で格式ばった」という意味で、現代の日常会話で気軽に使う言葉ではないと辞書自身が定めているのです。

タイベオ先生

筆者自身、ハノイに住んで10年以上、ベトナム人の友人や家族、同僚とのやり取りの中で、Bảo trọng nhé! が日常会話で使われている場面に出会った記憶はほとんどありません。

映画・ドラマや重い別れの場面で耳にする響き

ではいつ Bảo trọng nhé! が使われるのかというと、こんな場面が挙げられます。

  • 映画やドラマのセリフ(時代劇、戦争もの、感動的な別れのシーン)
  • 歌の歌詞(別れの情緒を強調する場面)
  • 長期間または永遠に会えなくなる重い別れ(国境を越える、戦地に向かう、生死に関わる場面)
  • 年配の方が改まった場面で使う(冠婚葬祭などの席での挨拶)

つまり Bảo trọng nhé! は、ちょっと特別な、重みのある別れを演出する響きを持っているのです。日常の友達同士の別れで使うと、聞き手は「え、もう一生会えないの?」とちょっと驚かれてしまうかもしれません。

ベトナム人と気軽に別れの挨拶を交わしたい場面では、シンプルに Giữ gìn sức khỏe nhé! を使うのが最も自然で、相手にも違和感なく届きます。

辞書には載っているけれど、実際の現地ではこういう使われ方をしている。これを知っておくと、ベトナム人とのやり取りで言葉選びを失敗しにくくなります。

よくある質問

ベトナム語の長い別れの挨拶について、よく寄せられる質問にお答えします。

技能実習生が日本から帰国するときに送るメッセージは何が自然ですか?

ベトナム人技能実習生がベトナムへ帰国する場面では、以下のフレーズを組み合わせると、温かいメッセージになります。

Cảm ơn em đã làm việc cùng với chúng tôi. 一緒に働いてくれてありがとう。

Chúc em gặp nhiều niềm vui và hạnh phúc. たくさんの幸せに出会ってね。

Giữ gìn sức khỏe nhé. Hãy giữ liên lạc nhé. 元気でね。連絡取り合おうね。

感謝」「幸せの祈り」「健康と連絡」の3つを組み合わせるのが、別れのメッセージの王道パターンです。em の部分は、相手の年齢や性別に応じて anh、chị などに置き換えてください。

メッセージカードに書ける短いベトナム語の別れの言葉はありますか?

メッセージカードのように文字数が限られる場面では、以下の短いフレーズが使いやすいです。

  • Giữ gìn sức khỏe nhé!(元気でね!)
  • Chúc em thành công!(成功を祈ります!)
  • Chúc em gặp nhiều niềm vui và hạnh phúc!(たくさんの幸せに出会ってね!)
  • Hãy giữ liên lạc nhé!(連絡取り合おうね!)

これらを2〜3個組み合わせるだけで、十分気持ちのこもったメッセージになります。

「頑張ってね」と一緒に伝えたいときは?

Cố lên!(頑張れ!)」「Hãy cố gắng nhé!(頑張ってね!)」が定番フレーズです。

これらの応援フレーズは、別れの場面以外にも幅広く使える便利な表現です。詳しい使い分けや応用フレーズについては、【音声あり】ベトナム語で「頑張れ!」「頑張ろう」と応援するには? で解説しています。

まとめ

この記事では、ベトナム語で長い別れの挨拶として使えるフレーズを解説しました。

ベトナム語の長い別れの挨拶は、「健康を願う言葉」「幸せや成功を祈る言葉」「また連絡しようねという言葉」の3つの引き出しを持っておけば、たいていの場面に対応できます。

この記事で紹介した主要なフレーズ

  • Giữ gìn sức khỏe nhé!(元気でね!)
  • Hãy chú ý đến sức khỏe.(体に気をつけてください。)
  • Chúc em gặp nhiều niềm vui và hạnh phúc.(たくさんの幸せに出会ってね。)
  • Chúc em thành công.(成功を祈ります。)
  • Hãy giữ liên lạc nhé!(連絡取り合おうね!)
  • Em đi đường cẩn thận nhé!(気をつけて帰ってね!)
  • Chúc bạn có chuyến đi thuận lợi!(よい旅を!)

教科書や辞書には Thượng lộ bình an や Bảo trọng nhé! も載っていますが、これらは古風で格式ばった響きを持つ表現です。日常の別れの場面では、上で紹介した現代の自然なフレーズを組み合わせるのが最も無理がありません。

筆者がハノイの日本語センターで日本へ旅立つ生徒たちに送ってきたのも、教科書の最初の方に出てくるような、ありきたりのフレーズばかりでした。

それでも、ベトナム語で送り出すと、生徒たちは握手を求めて目を輝かせて喜んでくれたのを今でも覚えています。

技能実習生やベトナム人の友人を送り出す場面、ベトナム在住の方が一時帰国や帰任で旅立つ場面で、この記事のフレーズが温かい一言を添える助けになれば嬉しいです。

タイベオ先生

ありきたりな言葉でも、ベトナム語で伝えることに意味があります。一言だけでも、ぜひ使ってみてくださいね。

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