
ベトナム語で「痛い」ってđau以外にどう言えばいいの?病院でチクッとするとかズキズキするとか、痛み方を伝えたい…
注射の針がチクッとするのか、傷口がズキズキ痛むのか。ベトナム語にも、こうした痛み方を表す言葉がいくつもあります。
私自身、ハノイで入院したとき、đauは知っていても、看護師さんから痛み方を聞かれて言葉に詰まった経験があります。
この記事では、「痛い」の基本表現に加えて、痛み方・強さ・場所を伝えるフレーズを紹介します。
タイベオ先生自分から伝えるときにも、相手の質問を聞き取るときにも役立つ表現を、一緒に整理していきましょう。
ベトナム語で「痛い」はđau|まずは場所を伝えよう
ベトナム語で「痛い」は、đau(ダウ)と言います。
カタカナは発音の目安ですが、まず覚えておきたい基本の言葉です。
頭が痛いときはđau đầu、
お腹が痛いときはđau bụng、
喉が痛いときはđau họng。
痛む部位と組み合わせれば、どこが痛いかを伝えられます。
Tôi bị đau đầu.(頭が痛いです)
細かい部位の名前が分からないときは、痛む場所を指差して伝える方法もあります。
Tôi bị đau ở đây.(ここが痛いです)
まずはđauで痛みがあることを伝え、痛み方を表す言葉で詳しく説明していきましょう。
気持ちの痛みなら、đau lòngで「心が痛い」と言えます。同じđauでも、組み合わせる言葉によって、体のどこが痛むのか、気持ちがつらいのかを伝え分けられます。
đauを基本に、痛むところや痛み方、つらさに合う言葉を組み合わせてみましょう。
入院中、実践で覚えたベトナム語
私自身、ハノイの病院に入院した際、腕に点滴を受けながら過ごしていたことがありました。看護師さんが点滴の様子を見に来てくれたとき、こう聞いてくれたのです。
Có bị nhói không?(チクッと刺すように痛みますか?)
Có bị buốt không?(しみるように痛みますか?)
ところが私は、痛みを表す言葉といえばđauしか知りませんでした。nhóiやbuốtの意味は状況からすぐに想像できましたが、自分の辞書にはない語彙だったので、自分の口からはすぐに出てきませんでした。
あとから辞書アプリを調べてみて、ズキズキやチクチクってこう言うのか、と理解し、ものすごく勉強になりました。こちらから痛みを訴えるのはもちろん、相手からの質問を聞き取るためにも、こうした語彙を増やしておくと便利ですね。
タイベオ先生なお、点滴中に痛みが出たり、周囲が赤くなったり腫れたりしたときは、すぐに看護師さんへ伝えてくださいね。ぴったりの表現を探して伝えるのを遅らせず、まずはđauで知らせましょう。

症状別!ベトナム語で「痛い」を伝える実践フレーズ
痛み方を伝えるときは、刺すような痛み、しみる痛み、うずく痛みなどを表す言葉を使います。日本語の「チクッ」「ズキズキ」は意味をつかむための目安で、場面によって訳し方は変わります。
ここでは5つの言葉を、使う場面と例文に分けて紹介します。カタカナ読みと発音の説明は、主にハノイの発音を目安にしています。
1. チクッとする、刺すような痛み:nhói(ニョイ)
注射や採血でチクッとするような痛みや、胸や脇腹などが急に刺すように痛む感覚を表すのがnhóiです。
「少しチクッとしますよ」と声をかける場合の例です。
Hơi nhói một tí nhé.(少しチクッとしますよ)
自分から痛みを伝えるときは、痛む場所を指差しながら、次のように言えます。
Tôi thấy hơi nhói ở đây.(ここが少しチクッと刺すように痛みます)
発音のポイント:
óは、上がる声調のsắcです。「ニョイ」というカタカナだけで覚えず、声調も一緒に意識しましょう。
2. しみる、芯まで響くような痛み:buốt(ブオット)
冷たいものが歯にしみたり、寒さで手足の芯までキーンと痛んだりするような感覚を表すのがbuốtです。
痛みや冷たさが、奥までしみるような感覚をつかむと分かりやすいですね。特に歯医者でよく聞かれます。
痛みを尋ねられたときの質問と、返答の例です。
Có bị buốt không?(しみるように痛みますか?)
Vâng, thấy buốt lắm.(はい、すごくしみるように痛みます)
歯がしみるときにも使えます。
Tôi bị buốt răng.(歯がしみて痛いです)
発音のポイント:
語尾のtは、舌先を上の歯茎付近につけて止める音です。日本語の「ト」のように母音を足さず、buốt全体を一音節で発音します。
3. ズキズキする、うずくような痛み:nhức(ニュック)
頭や歯、傷口などがズキズキとうずくように痛むときは、nhứcを使います。
đau đầuと同じく、nhức đầuも頭痛を伝える言い方です。痛みの強さは、quáやlắmなどの言葉を添えて伝えられます。
Tôi bị nhức đầu quá.(頭がズキズキしてすごく痛いです)
Vết thương bị nhức.(傷口がズキズキとうずきます)
なお、đauとnhứcを組み合わせたđau nhứcという言い方もあります。歯など、一部の痛みにも使う言葉です。
発音のポイント:
ưは唇を丸めない母音です。最後のcは舌の後ろ側で閉じる音で、「ク」のように母音を足しません。
4. ヒリヒリ、焼けるような痛み:rát(ザット)
日焼けした肌、軽いやけど、すり傷、あるいは喉がヒリヒリ痛むときに使うのがrátです。
皮膚や粘膜の表面が熱を持つようにヒリヒリする感覚を表します。
Tôi bị rát họng.(喉がヒリヒリ痛みます)
Chỗ này bị rát.(ここがヒリヒリします)
発音のポイント:
ハノイのrは、日本語のザ行に近い音が目安です。語尾のtはbuốtと同じく、カタカナの「ト」のように母音を足しません。
rátの母音aは、口を大きめに開いた「ア」に近い音で、rấtのâより長めに発音します。「とても」を表すrấtのâは、口の開きが小さい、短い母音です。
rも語尾のtも、声調のsắcも共通なので、母音の音色と長さを意識して区別しましょう。
5. キリキリ絞られるような腹痛:quặn(クアン)
食あたりや下痢のときなど、お腹がギューッと雑巾を絞られるように痛むときは、quặnを使います。
お腹が痛いと伝えるđau bụngに、締め付けられるような痛み方を加えた言い方が、đau quặn bụngです。
Tôi bị đau quặn bụng.(お腹がキリキリと締め付けられるように痛いです)
「どのくらい痛いか」に加えて、「どんなふうに痛いか」を伝えたいときに使えます。
発音のポイント:
ặは、短い母音ăに低く短い声調のnặngが付いたものです。quặnは一音節なので、カタカナの「ク・ア・ン」を一つずつ長く読まないようにしましょう。

「心が痛い」や、痛み・苦しみ全般を表すベトナム語
悲しい出来事に胸が痛んだり、別れがつらかったりするときにも、đauを使う表現があります。
ここでは、
- 心が痛む気持ち
- 苦しんでいる状態
- 強い痛みや苦痛
を表す3つの言葉を紹介します。
心が痛い・胸が痛む:đau lòng
悲しい知らせを聞いたり、人が苦しんでいる姿を見たりして心が痛むときは、đau lòngを使います。
ここでのlòngは、気持ちや心を表しています。
たとえば、悲しい知らせを聞いて「心が痛みます」と伝えるなら、次のように言えます。
Tôi thấy đau lòng khi nghe tin đó.(その知らせを聞いて、心が痛みます)
「心が痛む話」「胸が痛むような話」と、出来事を説明するときにも使えます。
Một câu chuyện đau lòng.(胸が痛むような話)
つらい・苦しんでいる:đau khổ
別れや喪失などで、気持ちがつらく苦しいときはđau khổを使います。
特に、精神的な苦しさを表す言葉です。
Cô ấy rất đau khổ sau khi chia tay.(彼女は別れたあと、とてもつらい思いをしています)
自分の気持ちを短く伝えるなら、次のようにも言えます。
Tôi đang rất đau khổ.(今、とてもつらいです)
タイベオ先生đau lòngは「心が痛む」、đau khổは「つらく苦しんでいる」という意味をつかむと、場面に合う言葉を選びやすくなります。
強い痛み・苦痛を広く表す:đau đớn
đau đớnは、強い痛みや苦痛を表す言葉です。
体がひどく痛む場面にも、心が深く傷つくような場面にも使えます。
けがなどで、ひどく痛がっている人の様子なら、次のように言えます。
Anh ấy đang rất đau đớn.(彼は今、ひどい痛みに苦しんでいます)
また、つらい経験を「痛ましい記憶」「思い出すのもつらい記憶」と言うときにも使えます。
Đó là một ký ức đau đớn.(それは、つらい記憶です)
đauは体にも心にも使え、đau lòng・đau khổ・đau đớnで、心の痛みや苦しさも伝えられます。
痛みの強さと場所|激痛・耐え難い痛みの伝え方
「少し痛い」「激しく痛む」「耐えられないほど痛い」と、痛みの強さも言い分けられます。体の痛みを伝えるときは、強さに加えて、痛む場所も示しましょう。
1. 少し痛い・とても痛い:hơi・lắm
「少し」を表すhơiは痛みの言葉の前に、「とても」を表すlắmは後ろに置きます。
少し痛むとき:hơi + 痛みの言葉
Hơi nhói.(少しチクッとします)
Hơi buốt một tí.(少しだけしみるように痛みます)
とても痛むとき:痛みの言葉 + lắm
Nhức lắm.(とてもズキズキ痛みます)
Rát lắm.(すごくヒリヒリします)
2. 激痛・激しく痛む:đau dữ dội
「激しい痛み」「激痛」と伝えたいときは、đau dữ dộiと言います。
dữ dộiが、痛みの激しさを表しています。
Tôi bị đau bụng dữ dội.(お腹が激しく痛みます)
nhóiやrátが「どんなふうに痛いか」を表すのに対して、dữ dộiは「どのくらい激しく痛むか」を説明する言葉です。
3. 耐え難い痛み・痛くて我慢できない:đau không chịu nổi
「耐えられないほど痛い」と伝えたいときは、đau không chịu nổiを使います。
không chịu nổiは「耐えられない」という意味です。
Tôi đau quá, không chịu nổi.(痛すぎて我慢できません)
đau dữ dộiで痛みの激しさを、đau không chịu nổiで自分には耐えられないことを伝えられます。単に「とても痛い」と言うだけでは足りないときの表現として覚えておくと役立ちます。
タイベオ先生こんな言葉を使う機会がないことを願います。
4. 痛む「場所」を指し示す言い方
体の細かい部位の名前を、ベトナム語ですべて覚えておくのは大変ですよね。そんなときは、痛む場所を指差しながら伝えてみましょう。
たとえば、ここまでに紹介したnhóiなら、次のように言えます。
Tôi thấy hơi nhói ở đây.(ここが少しチクッと刺すように痛みます)
この文のở đâyは「ここで・ここに」という意味で、痛む場所を示しています。
「この部分」を表すchỗ nàyから言い始める形もあります。
Chỗ này bị nhức lắm.(ここがすごくズキズキ痛みます)
ở đâyとchỗ nàyは文の中での置き方が違うので、上の例文をひとまとまりで覚えると使いやすくなります。

まとめ:いざという時に備えて痛みの表現を覚えておこう
今回は、病院や日常生活で役立つ「痛い」にまつわるベトナム語表現を紹介しました。最後に、使うときのポイントを振り返っておきましょう。
- 「痛い」の基本はđau。痛む部位や指差しと組み合わせて、まず痛みがあることを伝える
- 痛み方には、刺すようなnhói、しみるようなbuốt、うずくようなnhức、ヒリヒリするrát、締め付けられるようなquặnがある
- 「少し」のhơiは痛みの言葉の前、「とても」のlắmは後。場所を伝えるときはở đâyやchỗ nàyを含む例文を使う
具合が悪いときや入院中など、ベトナム語を話さなければならない場面では、どうしても心細く焦ってしまいがちです。自分から伝える言葉だけでなく、質問に出てくるnhóiやbuốtも覚えておくと、何を聞かれているかを理解する助けになります。
言葉の引き出しがひとつ増えるだけでも、現地での生活の安心感は変わります。ぜひスマホのメモなどに控えて、いざという時の備えに役立ててくださいね。
この記事では、以下の資料を主に参考にしました。
- Lạc Việt辞書:nhức、rát
- Wiktionary tiếng Việt:buốt
- 東京外国語大学言語モジュール:形容詞文・程度副詞(hơi・lắm・quáの位置)
- James P. Kirby:Vietnamese (Hanoi Vietnamese)(発音)
- North Tees and Hartlepool NHS Foundation Trust:Cannula Care(点滴中の痛み・赤み・腫れについて)
この本は持っておくと大変便利です。僕もベトナム語学びたての頃よく持ち歩いていました。






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