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【ベトナムコーヒー】なぜ世界2位の生産量なのに日本のカフェにないのか?

「ベトナムといえば、コーヒー大国!」
そう聞いて、ピンとくる方はどれくらいいるでしょうか。

実はベトナムは、ブラジルに次いでコーヒー生産量世界第2位を誇る、世界有数のコーヒー大国です。

南米やアフリカのイメージが強いコーヒーですが、実はアジアの国がこれほどの上位にいるのは意外ですよね。

でも、ここで一つの疑問が浮かびます。

「世界第2位の生産量なのに、なぜ日本のカフェやスーパーで『ベトナムコーヒー』の豆をほとんど見かけないのか?」

市場に出回っていないのだとしたら、ベトナムの大量のコーヒー豆は一体どこに消えているのでしょうか。
でも実は、あなたは気づかないうちに、毎日ベトナム産のコーヒーを飲んでいるかもしれません。

タイベオ先生

この記事では、ベトナム・ハノイに10年以上在住している筆者が、「ベトナムコーヒーにまつわる3つのなぜ」について分かりやすく解説します。

読めばきっと、明日飲むコーヒーの味わいが少し変わるはず?

目次

なぜベトナムコーヒーは日本のカフェであまり流通していないのか?

専用のフィルター(フィン)で抽出中の温かいベトナムコーヒーと、定番のお供であるひまわりの種
専用のフィルター(フィン)で抽出中の温かいベトナムコーヒーと、定番のお供であるひまわりの種

「世界第2位の生産量なら、日本のカフェでももっと見かけていいはずでは?」
そう思いますよね。

実は、日本でベトナムコーヒーの豆を見かける機会が少ないのには、「コーヒー豆の種類の違い」という明確な理由があります。

商業用のコーヒー豆は、大きく分けて以下の2種類が存在します。

  • アラビカ種:香りが高く、酸味があって美味しい(日本のカフェで主に飲まれる豆)
  • ロブスタ種:香りが少なく、強烈な苦味と深いコクがある(ベトナム産の豆の大半)

普段私たちが日本のカフェで「美味しい」と飲んでいるドリップコーヒーは、基本的にアラビカ種です。
一方、ベトナムで生産されている豆の大半はロブスタ種(カネフォラ種)と呼ばれる品種です。

ロブスタ種はストレートのドリップコーヒーとして飲むには苦味が強すぎるため、そのままでは日本のカフェ市場にはあまり出回りません。

つまり、「日本人が普段飲んでいるコーヒー豆とは種類が違うから」というのが、日本のカフェで見かけない理由なのです。

なぜベトナムは世界第2位のコーヒー生産国になったのか?

ダックノンでコーヒー農家を営む家族。収穫したコーヒーチェリーを乾かしてその後、白い生豆にして出荷する

「カフェで飲まれないなら、なぜ世界第2位になるほど大量に生産されているの?」
当然の疑問です。

実は、この苦味が強くてドリップに向かないロブスタ種には、「コモディティコーヒー(工業用コーヒー)」としての圧倒的な需要があるのです。

ロブスタ種は、味こそアラビカ種に劣るものの、病気や暑さに強くて低コストで大量生産しやすいという最強のメリットを持っています。

そのため、世界中で大量に消費されるインスタントコーヒーや缶コーヒーの原料として重宝されているのです。

ベトナムでは1986年のドイモイ(刷新)政策以降、このロブスタ種の大量生産に国を挙げて力を入れ、現在の「世界第2位」の地位を築き上げました。

現在では世界最大手のネスレなどもベトナムに生産拠点を置いています。

つまり、日本のカフェではお目にかかれないベトナム産のコーヒー豆ですが、実は缶コーヒーやインスタントコーヒーという形で、私たちの日常に深く溶け込んでいるというわけです。

なぜベトナムコーヒーはあんなに濃くて甘いのか?

世界中に輸出されているベトナムのコーヒー豆ですが、もちろん国内でも大量に消費されています。ハノイの街を歩けば、いたるところにローカルカフェがあり、人々がコーヒーを楽しんでいます。

しかし、ベトナムコーヒーを初めて飲んだ人は、その「強烈な濃さと、ガツンとくる甘さ」に驚くはずです。これにも明確な理由があります。

1つ目の理由は、先ほどお話ししたロブスタ種の強い苦味を中和するため。
そのままでは苦すぎるため、たっぷりの練乳(コンデンスミルク)と氷を入れて、甘く濃厚なスイーツのようにして飲むスタイルが定着しました。

2つ目の理由は、ベトナムの気候と歴史です。
かつてベトナムでは冷蔵庫が普及しておらず、常夏の気候の中で生乳を保存するのが非常に困難でした。そこで、常温でも長期保存ができる「練乳」がミルクの代わりとして重宝され、独自のコーヒー文化として根付いたのです。

ベトナムコーヒーに欠かせない、現地のスーパーにある巨大な「練乳コーナー」
ベトナムのスーパーには何と「練乳コーナー」がある。それぐらいベトナムで練乳は身近な食材です。

世界中で「時短」されている豆を、一番ゆっくり飲むベトナム人

ここで、ハノイに住んでいる筆者から見た、面白い矛盾をひとつ紹介させてください。

ベトナムが世界に輸出しているロブスタ種は、主に「インスタントコーヒー」や「缶コーヒー」として、世界中の人々が仕事の合間にサッと飲むための“時短アイテム”として消費されています。

しかし、当のベトナム人たちはどうでしょうか。
現地のカフェに行くと、彼らは「フィン」と呼ばれるアルミやステンレス製の専用フィルターをグラスに乗せ、コーヒーがポタポタと落ちきるのを何十分も気長に待っています。

世界中に「急ぐためのコーヒー」を供給しているベトナムの人々が、地元ではおしゃべりをしながら、世界で一番ゆっくりとコーヒーが落ちる時間を楽しんでいる。
このスローなカフェ文化こそが、ベトナムコーヒーの最大の魅力だと私は感じています。

専用のアルミフィルター(フィン)でゆっくり抽出される本場のベトナムコーヒー
専用のアルミフィルター(フィン)でゆっくり抽出される本場のベトナムコーヒー

まとめ:知れば知るほど面白いベトナムコーヒーの世界

今回は、「ベトナムコーヒーにまつわる3つのなぜ」について解説しました。

  • なぜ日本のカフェで見かけない?
    → カフェのドリップに向かない「ロブスタ種」だから。
  • なぜ世界第2位のコーヒー生産国?
    → インスタント・缶コーヒー用の豆として、世界中に大量輸出されているから。
  • なぜあんなに濃くて甘い?
    → ロブスタ種の強い苦味を和らげるためと、かつての生乳保存事情から練乳が普及したため。

皆さんが普段飲んでいる缶コーヒーの裏側には、実はこんなベトナムの背景が隠れていたのです。

ベトナムを訪れる機会があれば、ぜひ街角のローカルカフェに座ってみてください。

焦らずにじっくりとコーヒーが落ちるのを待ち、濃厚な甘さと苦味をちびちびと味わう時間は、きっと特別な旅の思い出になるはずです。

日本でもベトナムコーヒーを味わいたい方へ

「現地に行く予定はないけど、あの濃厚な味が飲みたい!」という方には、ベトナムの国民的コーヒーメーカーが作っている以下の商品がおすすめです。
日本の通販でも簡単に手に入るので、ぜひ自宅でベトナムの甘くスローな時間を体験してみてください。

  • [チュングエン G7(インスタント)]
    ベトナムの一般家庭で最も飲まれている、強烈に甘くて美味しいインスタントコーヒーです。
  • MR.VIET(ミスターベト) カフェフィン付きセット(粉末)
    おしゃれなパッケージで人気の「ミスターベト」。専用のフィルター(フィン)がセットになっているため、届いたその日から本格的なベトナムの甘くスローな時間を体験できます。

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