ベトナム語で「お疲れ様」は使いません【職場でよく使う表現を紹介】

職場にいるベトナム人にちょっと「お疲れさまでした」と声をかけたいけど、何て言ったらいいのかな?

タイベオ先生

実は、ベトナム語で「お疲れさまでした」に対応する言い方はないんです。

え~!じゃベトナムではみんな何て言ってるの?

日本語では「お疲れさまでした」「お疲れさまです」は仕事上がりのときだけでなく、職場ですれ違ったときや、用事で声をかけるとき電話をかける時の第一声など、さまざなま場面で使われる便利な表現です。

ただ、日本語の意味で「お疲れさまでした」と言いたいときに、ベトナム語にもそれに変わる言い方はあるにはあります。

タイベオ先生

この記事では、ベトナムの会社で実際に働いている筆者が、現地のベトナム人が職場でどのように声をかけあっているか、いくつかの表現をシェアしたいと思います。

この記事の内容
  • ベトナム語で「お疲れ様」は何と言う?
  • ベトナム語で「お先に失礼します」は何と言う?
  • 職場で同僚に会ったときに使う「お疲れさまです」は?
目次

ベトナム語で「お疲れ様です」を直訳すればこうなる

日本語の「お疲れさまです」をもちろん直訳することはできます。

よくテキストや、ウェブサイトで紹介されているのが、

Anh đã vất vả rồi .        お疲れ様です。(あなたは苦労されました)
đã 〜  rồi 〜した  vất vả 大変、苦労する

という、直訳の言い方になります。

ただ、これは日本語のニュアンスでの「お疲れさまです」とは異なります

vất vả は「大変、苦労する、困難な」といった本当に大変な苦労をしたときに使う言葉です。

なので、労をねぎらったりするときや、本当にちょっと大変な仕事をしたときにだけ使います。

例えば職場で同僚が、急なトラブルの処理で、なかなか帰れず、サービス残業の末、やっとこさ終わって帰れる、そういったシーンでは Anh đã vất vả rồi. と声をかけてあげたくなります

では、ベトナム語で、日本語で使うような意味での「お疲れ様」は何と言えばいいのでしょう?

タイベオ先生
タイベオ先生

これから、シーンごとに、職場で使われている「お疲れ様」の言い方を見ていきましょう。

自分が先に上がるときの「お疲れさまでした、お先に失礼します」

目上の人への「お疲れさまでした」

結論から言うと、「お先に失礼します」とだけ言えば良いです。

では、「お先に失礼します」はベトナム語で何と言えばいいか見ていきましょう。

「お先に失礼します」を直訳すると

Tôi xin phép về trước. お先に失礼します。
トイ シン フェッ(プ) ヴェー チュオッ(ク)
xin phép=許可を請う  về=帰る  trước=先、前

となります。

発音は( )の中の音は出す準備だけして、その音の口の形をして止めます。実際には発音しません。あくまでカタカナは参考にしてください。

挨拶するときは、年下、若者から先に行なうのが礼儀です。

タイベオ先生
タイベオ先生

ベトナムの文化では普通は年長の人から若者に挨拶をすることはしません。

Em xin phép về trước. お先に失礼します。
Em=年下の人が年上の人に対して使う「わたし」

このあいさつだけで、「わたしは先に帰りますが、あなたはまだ働いていらっしゃいます。本当にお疲れさまでした」のようなニュアンスも十分含んでいますので、「お先に失礼します」とだけ言えば、OKです。

しかしこれは、やや改まった言い方なので、用事があって早退するとき目上の人などに対してよく使います。

次は、もう少しラフな言い方です。

Em về trước nhé. お先に失礼しますね。(年下から年上に)
エム ヴェー チュオッ(ク) ニェー
Anh về trước nhé. お先に失礼しますね。(年上から年下に)
アイン ヴェー チュオッ(ク) ニェー

Chị về đấy.  お疲れ。【直訳:帰るよ。】(年上から年下に)
チ ヴェー ダイー
nhé語尾につけて「〜ね」   đấy語気(気持ちがはいった言い方)

nhé と đấy は語尾につけて、口語調になる表現です。どちらも上がる声調がついていますので、「ニェー」「ダイー」と語尾が上に上がるように発音します。đấy の  は「ア」と「オ」の中間の音になります。

意味としては、「帰るね」だけの意味ですが、ベトナム人同士では、帰る前にこうやって声を掛け合っています。これが、日本語で言うところの「お疲れ〜」に近い表現になると思います。

ではつぎに、先に上がる同僚へ、なんと声をかけたらいいのでしょうか。

ハノイのタイベオ先生
【人称代名詞】ベトナム語で「私」と「あなた」を使い分けるコツを教えます | ハノイのタイベオ先生 Anh có khoẻ không? ええと、彼女は Chị で良かったっけ? ちがう、Emになるのかな、、、、 いや、初対面だからBạn のほうがいいのかな? で、僕は Anh? Em?いやTôi???...

同僚が先に上る場合の「お疲れさまでした」

年下の同僚:Em về trước nhé.  お先に失礼しますね。
エム ヴェー チュオッ(ク) ニェー

自分:Ừ về nhé.  はい、お疲れ。
ウー ヴェー ニェー

年上の同僚:Chị về đấy.  帰るね。
チ ヴェー ダイー

自分:Vâng, chị về ạ.  お疲れさまでした。
ヴァン チ ヴェー ア

くだけたニュアンスの「はい」。年上に使ってはならない。
Vângていねいな「はい」  ạ語尾につける、「〜です、ます」みたいに敬意がこもる言い方。

これはどちらも、直訳すると、

A:わたし帰るね。

B:はい、あなた帰る。

みたいなやり取りになります。

タイベオ先生
タイベオ先生

この、「あなた、帰る」と返す感じが、日本語で言うところの「お疲れ!」に近いのかなと思います。

もしあなたの職場で年下のベトナム人の若者が、あなたに「お疲れさまです」と言ってきたら、にっこり笑って、

Ừ em về nhé. 

といってあげましょう。

その他、ベトナムの職場でよく聞いた帰り際のフレーズ

Về thôi !  さあ、上がりだ。帰ろう!
ヴェー トーイ
thôi=~だけ (もうあとは帰るだけだ)
Mai gặp lại. また明日
マイ ガッ(プ) ライ
Mai=明日  gặp=会う  lại=再び
Bye Bye. バイバイ
もう、「バイバイ」なんか、「お疲れ様でした」でもなんでも無いような気がしますが。。。

仕事中の「お疲れさまです」は?

では今度は、仕事中に使う「お疲れ様です」について見ていきましょう。

これは、基本的に言ったり言わなかったりです。

すれ違ったのがその日はじめてなら、ふつうに「こんにちは」と挨拶します。

「おはようございます」「こんにちは」は厳密に言うと「お疲れさまです」とは違います。

でも、日本人は、逆に日中、同僚に対してあまり「こんにちは」は使いませんね。

でも挨拶しないのは気まずいので、その代わりに「お疲れさまです」を使っているのではないでしょうか。

このベトナム人同士の「こんにちは」もそのような「お疲れさまです」というようなニュアンスを含んだものになっています。

Em Chào anh. お疲れさまです。(年上の男性の同僚に)

Cháu chào cô.   お疲れさまです。(少し年配の女性の同僚もしくは上司に)
タイベオ先生
タイベオ先生

でも、基本的に挨拶は一日の中で普通は一回だけしかしないので、合うたびに何度も何度も挨拶しません。

もし、すれ違ったのが2回目以降なら、あいさつの代わりに名前を呼ぶ、というのが多いです。

Minh.    ミン (同年代か年下)

À Tâm !  タム!

Chị Hà ! ハーさん!

Anh Hoàn ! ホアンさん!

À=日本語と同じように認識したときの「あー」

名前がわからないときは

Chú. お疲れさまです(おじさん)
チュー

Cô. お疲れさまです(おばさん)
コー

とだけ、人称代名詞を言うときもあります。これだけで、日本語で言うところの「お疲れさまです」に近いニュアンスを表現できますよ。

まとめ

この記事では、いろいろな「お疲れ様でした」をご紹介してきました。

少しおさらいしてみましょう。

  • Anh đã vất vả rồi .  お疲れさまでした(本当に大変なときだけ)
  • Em xin phép về trước. (上司に)お疲れさまでした、お先に失礼します。
  • Em về trước nhé. (年上に)お疲れさまでした、お先です。
  • Ừ về nhé. (年下に)はい、お疲れ。
  • Vâng, chị về ạ. (年上に)はい、お疲れさまでした。 
  • Em Chào anh. お疲れ様です。(会社で同僚に会ったとき、すれ違ったとき)
  • À Tâm ! 名前を呼ぶだけでもいい。

この記事が、あなたのベトナム語学習のお役に少しでも立てたら幸いです。

Xin cảm ơn ! 

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