ベトナム語で「寒い・今日は寒いですね」は?【lạnhとrétの違いを解説】

ベトナム語で「寒い」は何と言えばいい?

ベトナム語で「寒い」を表す言葉は2種類あります。

それぞれ、寒さの度合いによって使い分けます。

年中暑いイメージのベトナムですが、北部ハノイの冬は意外と寒くなります。

この記事では、

  • ベトナム語の「寒い」の言葉の解説
  • ベトナム語で「今日は寒いですね」
  • ベトナムの冬事情

この3点についてベトナム・ハノイ在住の筆者がお届けします。

タイベオ先生

ちなみに今日は寒いです〜

目次

ベトナム語で「寒い」は何と言う?

冒頭でもお伝えしましたが、ベトナム語で「寒い」という言葉は2つあります。

ベトナム語で「寒い」は  lạnh(ライン) と  rét (ゼッ)です。

lạnh(ライン) と rét (ゼッ)は、それぞれ表現する寒さの度合いが異なります。

lạnh の意味

trời lạnh 寒い天気

Hôm nay trời lạnh quá !
今日は寒いなあ。

lạnh はいわゆる一般的な意味で「寒い」という意味の形容詞です。

発音は少し難しいですが、重い声調なので「ラインッ」と詰まらせるように発音しましょう。

lạnh にはもうひとつ、「冷たい」という意味もあります。

bia lạnh 冷たいビール

日本語では「寒い」と「冷たい」は言葉を使い分けますが、ベトナム語はどちらも lạnh です。

ちなみに反対語の「暑い」は  nóng です。この nóng も「暑い」と「熱い」、どちらの意味も含まれています。

rét の意味

Hôm nay trời rét quá! 
今日はめちゃくちゃ寒いなあ!

rét は同じ「寒い」ですが「厳しい寒さ」を表します。冷たい風が吹いて、身を切るような寒さのときに使います。

発音は上がる声調で、「ゼッ」もしくは「レッ」のようにキレ良く発音してください。

ただ、常夏ホーチミンの人は基本的に rét の季節がないのでほとんどこの言葉を使いませんrét は主に北部で使われます。

北部は四季があるので、冬はかなり寒くなります。

ハノイも年に数日は本当に寒い rét の日があります。

rét にはもう一つ、風邪を引いた時などに体が感じる「悪寒」の意味もあります。

cơn rét 悪寒
sốt rét マラリア( sốt=熱)

lạnhとrétの違い

それでまとめると、

  • lạnh は「普通の寒さ」
  • rét は「身を切るほどの寒さ」

ということができます。

ハノイは12〜1月ぐらいに急に寒くなります。基本的に気温が20℃を下回ると、 lạnh で、13℃を下回れば体感的には rét です。

だから、ベトナム人からすると日本の冬は文句なしに rét レベルの寒さだと言えます。

この記事を最初に執筆した日は全国的に寒い天気で、東京の気温は5℃、まさに rét です。

タイベオ先生

ハノイのその日の気温はというと、11℃。これでいてかなり rét な天気です。

ベトナム語で「今日は寒いですね」は何と言う?

そんな寒い冬の日には、「今日は寒いですね」という会話があちこちで聞こえてきます。

ベトナム語で「今日は寒いですね」はこんなふうに言ってみましょう。

Hôm nay trời lạnh quá!
今日は寒いですね!

Hôm nay trời lạnh quá nhỉ !
今日はめちゃくちゃ寒いですね〜!

Hôm nay trời rét quá !
今日は本当に冷えますね!

言葉の解説

hôm nay は「今日」という意味です。

trời の基本的な意味は「天、空」ですが、ここでは「天気」という意味になります。 

〜 quá! は「とても〜」「ものすごく〜」という程度を表す副詞です。quá の前に形容詞を入れると「とても〜」と表現できます。

Đẹp quá ! めちゃくちゃきれい!

Hôm nay trời nóng quá ! 今日はものすごく暑い!

「寒いですね」の下の例文では文の最後に nhỉ という言葉がついています。これは「〜ですね」と相手に同意を求めるときに使います。

Hôm nay trời nóng quá nhỉ !
今日はとても暑いですね。

ベトナムの冬事情

ホーチミンのイメージで、南国の印象が強いベトナムですが、実は北部には冬があります。

地図をご覧になるとわかるように、ベトナムの国土は南北に細長く、北部と南部で気候帯が異なります

ダナンやホーチミンなど、中南部は熱帯性気候となるため、一年を通して25〜30℃の気温で、乾季と雨季があります。一方、ハノイが位置する北部は、亜熱帯性気候に属します。そのため北部は、冬と夏の温度差が激しく、四季があります。

北部の冬は意外と寒い

ハノイの冬は霧がかかり、体感温度は気温より低く感じられる
ハノイのホアンキエム湖

北部のハノイは12〜1月ごろ冬を迎え、一番寒い日で気温が10℃を下回ることもあります。

少数民族が暮らす山岳部はさらに寒く、気温が氷点下になる日さえあります。観光地で有名なサパは毎年うっすら雪をかぶります

さらに、北部の冬は毎日のように霧雨模様の天気が続き、街全体にミストがかかったような日が多くなります。これも体感温度が実際の気温よりも低く感じる要因になっています。ベトナムではバイクでの移動が多くなるため、なおのこと寒く感じます。

気温が20℃を下回ると、ハノイの人々はマフラーをぐるぐる巻きにして街を歩きます。かと思えば、靴下を履くのを嫌がり、裸足に便所サンダルでバイクに乗っていたりします。

タイベオ先生

真冬でも、裸足に草履の人が多くて笑っちゃいます。

北部の学校は気温が低い日に休校になる

基本的に、ベトナムの家屋や施設には暖房設備が整っていません。日陰で石造りの家屋は夏は涼しくていいんですが、冬になると足元からものすごく底冷えします

ベトナムは冬が比較的短いので寒さに対する備えが一切できていません。とにかく家でも厚着をして寒さに耐えるのがベトナムの冬の過ごし方です。

低所得者層の長屋や学生寮には、水道蛇口がついた便所があって、夏場はそこでタライに水をため、ひしゃくですくって水浴びをします。もちろん温水シャワーなどありません。真冬でも冷たい水をかぶって頭を洗っています。

当然、ベトナムの学校には暖房などあるはずもなく、冬の教室は屋外と同じ温度になります。

そのため、ハノイでは気温が10度を下回ると小学校と幼稚園は休みになります。

さらに、気温が7度を下回れば、中学校も休校になります。

旧正月ぐらいに冬は終わる

そんな寒さも2月ごろ、テト(旧正月)のバタバタした時期をすぎると次第に和らぎ、いつの間にか春になります。

なので、「いよいよ、電気ストーブほしいな〜」と思っている間に冬が終わっている、ハノイの冬はそんな感じです。

タイベオ先生

結局、毎年この繰り返しです。

使い捨てカイロは珍しがられる

最後に余談ですが、わたしは一時帰国のときに日本から使い捨てカイロをもって行きました。ベトナム人は「カイロ」なるものを知らず、生まれてはじめて見る「カイロ」を触りながら、とても物珍しそうにします。

冬場は、ジャンパーのポケットにカイロを入れておくとほっこりするのでおすすめです。

興味を持った人にそのままカイロを持たしてあげると、けっこう喜ばれます。

わたしは、手がかじかむような冬のとある寒い晩に、一人の女の子にポケットに入っていたあったかいカイロをあげました。女の子はとても喜び、それがきっかけでハートをつかみ、妻になりました(^_^;)。

まとめ

この記事では、ベトナム語で「寒い」にまつわる言い方と、北部の冬事情についてお伝えしました。

記事で紹介したベトナム語表現
  • lạnh 寒い
  • rét  ものすごく寒い
  • Hôm nay trời lạnh quá ! 今日は寒いですね!
  • Hôm nay trời lạnh quá nhỉ ! 今日は寒いですね〜!
  • Hôm nay trời rét quá ! 今日は実に冷えますね。

みなさんも風邪を引かないようにお過ごしください。

それでは、 Hẹn gặp lại !

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