
テキストの音声はなんとか聞き取れる。

でもベトナム人が普通のスピードで話し始めると、何を言っているかさっぱりわからない
ベトナム語のリスニングで最初にぶつかるのは、ほぼ全員がこの壁です。
ベトナム語が聞き取れない原因は、大きく3つしかありません。
- 音の聞き分け(発音力不足)
- 語彙不足
- ネイティブのスピードへの慣れ不足
そして、多くの人が見落としていることがあります。
聞き取れない原因の大半は、実は「耳」ではなく「語彙」です。
知らない単語は、何百回聞いても意味に変換されません。つまり、自分がこの3つのどこで詰まっているかを先に特定しないと、「たくさん聞いているのに全然伸びない」という遠回りから抜け出せません。
筆者はハノイ在住で、日常はすべてベトナム語です。
タイベオ先生それでもリスニングは4技能の中でいちばん最後まで苦労しているスキルで、原因がわからないまま聞き流していた時期は本当に伸びませんでした。
- ベトナム語が聞き取れない3つの原因と、自分がどこで詰まっているかの見分け方
- 初心者がまずやるべきリスニング練習の4ステップ
- シャドーイング・ハミングの正しい使い分けと、レベル別のおすすめ素材
- 「たくさん聞いても伸びない」を防ぐ、やりがちな失敗パターン3つ
ベトナム語が聞き取れないのはなぜ?3つの原因を知れば練習は変わる
ベトナム語が聞き取れない原因は、
- 音の聞き分けができていない(発音力不足)
- 語彙が足りない
- ネイティブのスピードとつながりに慣れていない
の3つに集約されます。
やみくもにリスニングの量を増やしても伸びないのは、自分がこの3つのどこで詰まっているかを把握しないまま練習しているからです。原因によって、やるべきことはまったく違います。
原因①|ベトナム語の音を聞き分けられていない(発音力不足)
いちばん多いのがこれです。特にベトナム語を始めて間もない人は、ほぼ全員ここに当てはまります。
ベトナム語には、日本語にない音がたくさんあります。母音だけで11種類、声調は6つ。日本語の「あ」に相当する音だけでも a / ă / â の3種類あって、ベトナム人にとってはまったく別の音です。
ここで大事な原則があります。
自分が正確に発音できない音は、聞き取ることもできません。
たとえば「â」と「a」の違いを自分の口で作れない人は、相手が正しく発音していても、耳がその差を拾えません。ベトナム語の単語を頭の中でカタカナに変換して覚えてしまっている人は、ネイティブの正しい音を聞いたときに脳が一致を見つけられないのです。
わたしも経験があります。日本語学校でベトナム人の学生に「Sân bay(空港)」と言ったつもりが、何度言っても通じなかった。声調の問題ではなく、母音「â」の微妙な口の開き方がずれていたのが原因でした。ちょっとした誤差が、ネイティブにとっては完全に別の音になる。これは発音だけでなく、聞き取りでもまったく同じことが起きます。
タイベオ先生この原因に当てはまる人は、リスニングの練習を増やす前に、まず発音の基礎に戻る必要があります。

原因②|知らない単語は何回聞いても聞き取れない(語彙不足)
これが、いちばん見落とされている原因です。
「聞き取れない」と感じているとき、実は音としてはちゃんと耳に入っている場合があります。でも、その単語を知らないから、意味に変換できない。結果として「聞き取れなかった」と感じる。
たとえば、相手が “thủ tục” と言ったとします。音としてはクリアに聞こえている。でも “thủ tục(手続き)” という語を知らなければ、脳は「知らない音の塊」として処理して、通り過ぎてしまいます。
これはリスニング力の問題ではなく、純粋に語彙の問題です。
見分け方はシンプルで、聞き取れなかった文のスクリプトを見て、意味がわかるかどうか。スクリプトを読めば「あ、こう言ってたのか」とわかる場合は、音の聞き分けはできています。問題は語彙です。
この原因は中級者に特に多い。基本的な音は聞き分けられるようになったのに、会話についていけない。その正体は語彙不足です。
タイベオ先生この壁を超えるにはリスニング練習よりも、語彙を増やすほうが先です。
原因③|ネイティブのスピードとつながりに慣れていない
テキストの音声は聞き取れるのに、ベトナム人同士の会話になると何もわからない。この場合は、原因③の可能性が高いです。
ネイティブの自然な会話では、いくつかのことが同時に起きています。
まず、スピードが速い。
テキスト音声のようにゆっくりはっきりとは話してくれません。そして、単語と単語がつながる。
さらに、教科書に載っていない語尾やつなぎの表現が大量に出てきます。
たとえば、教科書では “Bạn có khoẻ không?” と習うけれど、実際の会話では “Khoẻ không?” だけだったり、語尾に “nhé” “đấy” “à” などが付いて、知っているはずの文が別物に聞こえる。
この原因に当てはまる人は、音の聞き分けも語彙もある程度できているのに、自然な発話の「崩れ方」に耳が追いついていない状態です。
テキスト音声からいきなりニュースやネイティブの雑談に飛ぶのではなく、短い会話音声で段階的にスピードと崩れ方に慣れていく必要があります。
自分がどこで詰まっているかを確認する方法
3つの原因がわかったところで、自分がどこに当てはまるかを確認しましょう。やり方はシンプルです。
まず、聞き取れなかった音声のスクリプト(文字起こし)を用意します。そして、スクリプトを読んでみてください。
スクリプトを読んでも意味がわからない場合 → 原因②の語彙不足。知らない単語が多すぎる状態です。リスニング練習の前に、まず語彙を増やすほうが効果的です。
スクリプトを読めば意味はわかるが、音声では聞き取れなかった場合 → 原因①か原因③。ここからさらに切り分けます。聞き取れなかった単語を1つずつゆっくり発音された状態で聞いても区別がつかないなら原因①(音の聞き分け)。ゆっくりなら聞き取れるが、自然なスピードになると追いつけないなら原因③(スピード慣れ不足)。
この切り分けをしないまま「とにかくたくさん聞く」をやると、原因①の人が量で解決しようとしたり、原因②の人がリスニング練習ばかりやったりして、遠回りになります。
ベトナム語リスニングの練習法|初心者がまずやるべき4ステップ
リスニング練習で大事なのは、量ではなく手順です。
やることはシンプルで、
短い音声を選ぶ → 繰り返し聞く → 聞けなかった箇所を特定する → 原因を切り分ける → シャドーイングで仕上げる
この流れを1本の音声で回しきるだけです。いきなり長い素材に手を出したり、聞き流したりするよりも、短い音声を1本ずつ丁寧に潰していくほうが確実に伸びます。
ステップ1|短い会話音声を1本選んで繰り返し聞く
最初に使う素材は、30秒〜1分程度の短い会話音声がベストです。
なぜ短いものから始めるかというと、長い音声だと「どこが聞けなかったか」を特定できないからです。10分の音声を聞いて「なんとなくわからなかった」で終わってしまうと、次に何を練習すればいいかが見えません。30秒なら、聞けなかったポイントをピンポイントで潰せます。
素材はテキスト付属の会話音声で十分です。スクリプトがついている音声を選んでください。スクリプトがないと、この後の答え合わせができません。

まずはスクリプトを見ないで、音声だけで3〜5回聞きます。このとき、聞き取れた部分と聞き取れなかった部分を、なんとなくでいいので意識しておいてください。

ステップ2|スクリプトで答え合わせして聞けなかった箇所を特定する
次に、スクリプトを開いて答え合わせをします。
音声をもう一度流しながら、スクリプトを目で追ってください。すると、「ここが聞き取れていなかった」というポイントがはっきりします。
大事なのは、聞けなかった箇所をただ確認するだけで終わらせないことです。聞けなかった単語や表現に印をつけておく。ここがこの後の原因切り分けで使う材料になります。
30秒の音声であれば、聞き取れなかったポイントはせいぜい数箇所です。これが「短い音声から始める」ことの利点で、課題を具体的に絞り込めます。
ステップ3|聞き取れなかった原因を切り分ける(音か語彙か)
ここがこの練習法の核です。
ステップ2で印をつけた箇所を、1つずつ確認してください。
スクリプトを見て「この単語、知らなかった」となった場合 → 原因は語彙不足です。
その単語の意味と発音をセットで覚えてください。これはリスニング練習ではなく語彙の仕事です。
単語は知っていたのに聞き取れなかった場合 → 原因は音の聞き分けかスピード慣れ不足です。
その単語をゆっくり発音された状態で聞いて、区別がつくかどうか確認します。ゆっくりでも区別がつかないなら、発音練習に戻る。ゆっくりなら聞けるが自然なスピードでは追いつけなかったなら、この後のシャドーイングで慣らしていきます。
この切り分けを毎回やることで、「自分が今どこで詰まっているか」がだんだん見えてきます。初心者のうちは音と語彙の問題が混在していることが多いですが、練習を重ねるうちにスピード慣れの比率が増えてきます。それはリスニング力が伸びている証拠です。
ステップ4|同じ音声でシャドーイングして仕上げる
最後に、同じ音声を使ってシャドーイングをします。
シャドーイングとは、聞こえた音声のすぐ後を追いかけるように声に出す練習です。
ステップ1〜3で「聞ける・意味がわかる」状態まで持ってきた音声に対してやるから効果があります。意味がわからない音声をいきなりシャドーイングしても、ただ音を真似しているだけになって効果が薄い。これは次のセクションで詳しく書きます。
ステップ3で特定した「聞き取れなかったポイント」に意識を集中しながら、音声を追いかけてください。声調、母音の開き方、つながりの部分。自分の口で再現できるようになった音は、次に聞いたとき確実に聞き取れるようになります。
1本の音声に対してこの4ステップを回しきったら、次の音声に移る。これを繰り返すだけです。
最初は1本に30分以上かかるかもしれません。でも、慣れてくると15分程度で回せるようになります。毎日1本ずつでも、1ヶ月続ければ30本の音声を潰したことになる。聞き流しで30本を流すよりも、確実に聞き取れる範囲が広がっているはずです。
シャドーイングとハミング、どっちが先?練習法の使い分け
ベトナム語のリスニング練習で名前が出やすいのが、シャドーイングとハミングです。どちらも効果がある練習法ですが、使うタイミングを間違えると効果が半減します。
結論から言うと、ハミングが先、シャドーイングは後です。
ハミングはリズムと声調をつかむ段階で使う
ハミングとは、歌詞を歌わずにメロディーだけを「ふーふふふふっふ」と口ずさむような練習法です。ベトナム語の文字やスクリプトは見なくていい。意味も考えなくていい。聞こえてきた音の上がり下がり、リズム、強弱だけを声でなぞります。
なぜこれが有効かというと、ベトナム語は声調言語だからです。6つの声調が単語の意味を決めるので、音の高低やリズムの感覚が身についていないと、そもそも聞き取りの土台ができません。
ハミングは、この「音の輪郭」を体に入れる作業です。
声調を1つずつバラバラに覚えようとするよりも、文全体のリズムをかたまりでつかむほうが、ベトナム語らしい音の流れが感覚として入ってきます。テキストの会話音声を流して、意味はわからなくていいから、聞こえたままのメロディーをハミングで追いかけてみてください。
使うタイミングは、まだ音声の内容が理解できていない段階です。
スクリプトも見ていない初回で、まず音の輪郭だけをつかみたいときに使います。
タイベオ先生音の全体像を体に入れるウォーミングアップだと思ってください。
シャドーイングは音と意味がつながってから始める
シャドーイングは、聞こえた音声のすぐ後を追いかけて声に出す練習です。ハミングと違って、実際のベトナム語の音をそのまま発音します。
シャドーイングの効果が出る条件は、その音声の意味がすでにわかっていることです。
意味がわからない音声をシャドーイングしても、ただ音をオウム返ししているだけで、リスニング力にも発音力にもつながりにくい。「聞こえた音の意味がわかった上で、自分の口でも再現する」からこそ、聞く力と話す力が同時に鍛えられます。
スクリプトで答え合わせをして、聞き取れなかった箇所の原因も把握できている。「この音声の内容は理解できている」という状態になってから使うのがシャドーイングです。
やり方は、音声を流して0.5〜1秒遅れで追いかけるように声に出す。最初は音声を止めながらでもかまいません。慣れてきたら止めずに追いかけ続けてみてください。
うまく追いかけられない箇所があったら、そこが自分の弱点です。音の聞き分けなのか、口が追いつかないのか、スピードについていけないのか。シャドーイングは練習であると同時に、自分のリスニング力のセルフチェックにもなります。
中級者におすすめのシャドーイング教材
ベトナム語のリスニング教材の選び方|レベル別のおすすめ素材
リスニング練習の効果は、素材選びでほぼ決まります。自分のレベルに合っていない素材を使うと、練習の手順が正しくても伸びにくい。逆に、レベルに合った素材を選べば、練習がスムーズに回ります。
初心者はテキスト付属の会話音声がいちばん使える
初心者にとっていちばん効率がいいリスニング素材は、手元にあるテキストの付属音声です。
理由はシンプルで、スクリプトがついている、語彙と文法がそのテキストの学習範囲に収まっている、音声のスピードが学習者向けに調整されている。この3つが揃っている素材は、実はテキスト付属音声以外にほとんどありません。

YouTubeやポッドキャストにもベトナム語の音声はたくさんありますが、初心者がいきなりそこに行くと、知らない単語が多すぎて「聞けなかった原因が音なのか語彙なのか」を切り分ける以前に、「全部わからない」で終わってしまいます。これでは練習になりません。

テキストの会話音声を、1課ずつ丁寧に潰していく。これだけで初心者のリスニング力は着実に伸びます。新しい素材を探し回るより、まず手元の1冊を使い倒すほうが先です。
テキスト音声を卒業したら次に聞くべきもの
テキスト付属の音声を一通り回して、だいたい聞き取れるようになったら、次のレベルに進みます。
ここで選ぶ素材のポイントは3つあります。
- 1つ目は、スクリプト(文字起こし)がついていること。これがないと答え合わせができないので、練習が回せません。
- 2つ目は、1本が短いこと。30秒〜2分程度がベストです。まだこの段階では長い素材に手を出す必要はありません。
- 3つ目は、会話形式であること。モノローグ(1人が話し続ける形式)よりも、2人以上の会話のほうが実際のコミュニケーションに近く、つなぎ語や語尾表現など「テキストに出てこない自然な崩れ方」に慣れる練習になります。
YouTubeでベトナム語学習者向けのチャンネルを探すと、字幕付きの短い会話動画が見つかります。ベトナム語字幕がついているものを選んでください。日本語字幕だけのものは、スクリプトの代わりにならないので注意が必要です。
タイベオ先生あと個人的に日本人の方がやっているベトナム語チャンネル、大きな声では言えませんが、、、、日本人の方のベトナム語発音、やはり、、、なんというか、、、癖があって正確ではないので要注意です(ご本人は自信満々ですが …)
ベトナム人の発音を聞く分には問題ありません。
タイベオ先生でも同志としてリスペクトしています!
ニュースやドラマを聞いていいのはいつからか?
ベトナム語のニュースやドラマに挑戦したくなる気持ちはわかります。でも、早すぎるタイミングで手を出すと挫折しやすい。
ニュースやドラマの音声には、以下の特徴があります。
- スピードが速い
- 話者によって発音の癖が違う
- 語彙のレベルが高い
- スクリプトがないことが多い
つまり、スクリプトで答え合わせをしながら弱点を潰していく練習が非常にやりにくい素材です。
目安としては、テキスト付属の音声がほぼ聞き取れる状態になり、YouTube等の学習者向け会話動画でも7〜8割は聞き取れるようになったあたりからです。
ニュースに挑戦するなら、まずは短いニュースクリップ(1〜2分)から始めてください。いきなり10分のニュース番組を丸ごと聞いても、どこが聞けなかったかの特定ができません。また、ニュースの場合は専門用語が多いので、聞き取れない原因が語彙不足に偏りやすい。これはリスニングの問題ではなく語彙の問題なので、知らない単語を拾っていく作業と割り切ってください。
ドラマは会話のスピードと崩れ方に慣れるにはいい素材ですが、字幕がベトナム語で出るものを選ばないとスクリプトの代わりになりません。楽しみながら聞く分にはいつ始めてもいいですが、「練習」として使うなら、答え合わせができる状態を作ってからにしてください。
ベトナム語リスニングでやりがちな失敗3つ
練習の手順や素材選びが正しくても、ここで紹介する3つの失敗パターンにはまると遠回りになります。どれもベトナム語学習者に非常に多いパターンなので、先に潰しておいてください。
聞き流しを続けても聞き取れるようにはならない
「通勤中にベトナム語の音声をBGMのように流している」という人は多いと思います。やらないよりはましですが、これだけでリスニング力が伸びることはほぼありません。
理由は明確で、聞き流しには「聞けなかった箇所を特定する」作業と「それが音の問題なのか語彙の問題なのかを切り分ける」作業が含まれていないからです。聞いて、なんとなくわからなくて、そのまま次の音声が流れていく。これでは弱点が見えないので、いつまでも同じところで詰まり続けます。
ベトナムに住んでいる日本人は毎日ベトナム語を浴びるように聞いています。でも、それだけで全員がリスニングに困らなくなるかというと、そうはなっていません。聞き流しは「耳を慣らす」程度の効果はあっても、「聞き取れなかった音を聞き取れるようにする」力にはなりにくい。
聞き流しの時間を、短い音声1本をスクリプトで答え合わせしながら潰す時間に置き換えるだけで、同じ15分でも効果はまったく変わります。
いきなり長い音声・ニュースに手を出す
「力試しにニュースを聞いてみよう」「ドラマを1話見てみよう」。気持ちはわかりますが、初心者〜初中級のうちにやると、ほぼ確実に挫折します。
問題は、聞き取れなかったポイントを特定できないことです。10分の音声で「ほとんどわからなかった」となると、何が聞けなかったのか、それは音の問題なのか語彙の問題なのか、どこから手をつければいいのか——全部が曖昧なままになります。
リスニング練習で使う素材は30秒〜2分が基本です。短い音声で「全部聞き取れた」という感覚を1本ずつ積み上げていくほうが、結果的に長い音声にも対応できるようになります。長い音声は、短い音声が8割以上聞き取れるようになってからで十分です。
発音練習を飛ばしてリスニングだけやる
「リスニングが苦手だからリスニングの練習をする」。一見正しいように見えますが、これが遠回りになるケースがあります。
この記事の冒頭で書いた通り、自分が発音できない音は聞き取れません。発音の基礎が固まっていない段階でリスニング練習だけを増やしても、聞き分けられない音はいつまでも聞き分けられないまま残ります。
特に、母音(a / ă / â の区別など)と声調の聞き分けに苦労している人は、リスニング練習をいったん減らしてでも、発音練習に時間を振り分けたほうが早い。自分の口で正確に音を出せるようになると、その音が聞こえるようになる。
タイベオ先生遠回りに見えますが、発音の精度を上げることがリスニング力の底上げにいちばん効きます。
「リスニングが伸びない」と感じたら、一度立ち止まって、自分がその音声に出てくる音を正確に発音できるかどうかを確認してみてください。
発音できないなら、そこが本当のボトルネックです。
ベトナム語のリスニングでよくある質問
北部と南部、リスニングはどちらに慣れればいい?
まずは自分が学んでいる方の発音に集中してください。市販テキストのほとんどは北部発音で収録されているので、テキストで学んでいる人は北部の音に慣れるのが先です。
ただし、リスニングに関しては最終的に自分が住んでいる地域の発音を聞き取れる必要があります。北部と南部では子音の発音が違ったり、同じ声調記号でも音の出し方が異なったりするので、片方に慣れると、もう片方が別の言語のように聞こえることがあります。
タイベオ先生わたし自身、北部発音で身につけたのでハノイでの生活には困りませんが、南部や中部の発音は今でも聞き取りにくいです。
とはいえ、最初から両方をやろうとすると軸がぶれます。まずは片方を8割聞き取れるレベルまで持っていく。もう片方に慣れるのはその後で十分です。
リスニングは1日何分やれば効果がある?
短い音声1本を集中して潰す練習であれば、1日15分でも効果は出ます。
大事なのは時間の長さではなく
聞く → 聞けなかった箇所を特定する → 原因を切り分ける
という手順を毎回ちゃんと回すことです。この手順を回さずにダラダラ30分聞き流すよりも、集中して15分やるほうがはるかに伸びます。
慣れてきたら1日2〜3本に増やしてもいいですが、最初は1本で十分です。毎日1本ずつ続ければ、1ヶ月で30本。それだけでも聞き取れる範囲はかなり広がっているはずです。
聞き流しアプリは効果がない?
まったく効果がないわけではありません。ベトナム語の音やリズムに耳を慣らすという意味では、聞き流しにも一定の効果はあります。
ただし、聞き流しだけでリスニング力が伸びることはほぼありません。聞き流しでは「どこが聞き取れなかったか」を特定する作業が抜け落ちるので、弱点がいつまでも弱点のまま残ります。
聞き流しアプリは、通勤中やスキマ時間にベトナム語の音に触れておくための補助ツールとして使うのがいいです。
メインの練習は、スクリプト付きの短い音声を集中して潰す作業に置いてください。
まとめ|ベトナム語リスニングは原因の特定から始めよう
ベトナム語が聞き取れない原因は3つです。
- 音の聞き分けができていない(発音力不足)
- 語彙が足りない
- ネイティブのスピードとつながりに慣れていない
まずは自分がどこで詰まっているかを特定してください。聞き取れなかった音声のスクリプトを見て意味がわかるかどうか。これが最初の分岐点です。
練習は、短い音声を1本選んで、繰り返し聞いて、スクリプトで答え合わせをして、聞けなかった原因を切り分けて、最後にシャドーイングで仕上げる。
この流れを1本ずつ回す。
聞き流しや長い音声に時間を使うよりも、この手順を1本ずつ丁寧に回すほうが確実に伸びます。
リスニングがなかなか伸びないと感じたら、リスニング練習を増やす前に、発音の基礎に戻ることも検討してください。
タイベオ先生自分が発音できない音は、何回聞いても聞き取れるようにはなりません。
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