名作絵本「ぐりとぐら」のベトナム語版が、ついに出ることになりました。
その出版を記念した、「ぐりとぐら・世界の絵本展」が、2020年9月1日から30日にかけてベトナム・ハノイの国際交流基金ベトナム日本文化交流センター(27 Quang Trung, quan Hoan Kiem, TP. Ha Noi)にて開催されることに。
この記事では、その展覧会の様子についてレポートします。
ベトナム・ハノイで開かれた「ぐりとぐら・世界の絵本展」の感想
「ぐりとぐら」は、双子の野ねずみを主人公にした名作絵本。1963年に発行され、今もなお、世代を超えて愛されています。
あの「大きな黄色のカステラ」にあこがれた方も多いはず。
わたしも小さい頃、母によく読んでもらっていました。
実はつい最近、実家でたまたまその頃の「ぐりとぐら」を見つけ、あまりの懐かしさに海外まで持ってきてしまいました。
「ぐりとぐら」は大人になった今でも大好きな絵本です。
ハノイ「ぐりとぐら・世界の絵本展」の内容
「絵本展」は「ぐりとぐら」の複製原画の展示で、場所は国際交流基金ベトナム日本文化交流センター(27 Quang Trung, quan Hoan Kiem, TP. Ha Noi)。
期間は2020年9月1日から9月30日まで、入場は無料。
ちなみにベトナム語でこの展示会の表題は、
“Triển lãm THẾ GIỚI TRANH TRUYỆN EHON cùng gặp gỡ hai chú chuột đồng nổi tiếng GƯ-RI và GƯ-RA”
訳すと、「絵本の世界展 有名な2匹の野ネズミとの出会い ぐりとぐら」。
展示会の様子
まず入り口に、ぐりとぐらのパネルが設置されていて、それだけでちょっとテンションが上ってしまいました。
コロナのため、入り口でしっかり手を消毒させられて、靴を脱いで中に入リます。
会場にはシリーズ第一作「ぐりとぐら」の複製原画が9枚展示されていました。
壁には、うさぎの「くるりくら」などの歴代の絵本の名シーンの絵がプリントされています。
複製原画の他に、作者の中川李枝子さんと大村(山脇)百合子さんを紹介するパネル、物語の世界観を出した、木の下で絵本を自由に読めるコーナー、大判の絵本の展示などありました。
展示会の良かった点
- 無料で開放されていたところ。
- 親子で、「ぐりとぐら」の世界に親しんでもらえるように、日本語とベトナム語で絵本が自由に読めるようにされていたところ。
- ぐりとぐらのカステラのレシピ(ベトナム語版)が、もらえた。
- いままで知らなかったシリーズの続編が読めたこと。(子供のときに読みたかった…)
展示会の残念だった点
- あくまで展示の原画は、「複製」であって「生」原画ではなかったこと。(小規模の展示会なので仕方が無いと思いますが)
- 複製原画の展示に「カステラのシーン」が無かったところ。(そこが一番の見せ場なのに)
ベトナム人の反応
ちょうどその日は平日だったこともあり、人もまばら。
エアコンの効いた部屋を求めて自習している大学生が1人と、田舎からハノイに旅行に来ていたカップルが一組。
受付の女性にこの展示会の反響を聞くと、土曜日は家族連れが多く、盛り上がっているということでした。
絵本の反響もとてもいいとのことでした。
ベトナムの絵本読み聞かせ事情
ベトナムでも、母親がスマホに子守させている光景をよく目にします。
果たして、ベトナムでは子供に絵本を読み聞かせる習慣はあるのでしょうか。
子供の教育に関心のあるお母さんは絵本を選ぶ
展示会に来ていた人たちに、ベトナムの絵本読み聞かせ事情について聞いてみました。
ベトナムでも、最近は、お母さんたちが子供の教育に関心を持つようになっているそうで、絵本を読んで聞かせるお母さんは意外に多いとのことです。
一般的には、ベトナムの昔話などの絵本は以前から人気で、どこの家庭にもたいていあるよ、と話してくれました。
たくさんの日本の絵本がベトナム語訳されている
実はベトナムの本屋にも、たくさんの日本の絵本が、“Ehon”として販売されています。
ベトナム語の勉強のために、数冊買ってきました。
まとめ
名作絵本「ぐりとぐら」ベトナム語版の出版を記念して、2020年9月にベトナム・ハノイで開催された「ぐりとぐら・世界の絵本展」の様子をかんたんにレポートしました。
こじんまりとした質素な展示会でしたが、少しの時間コロナを忘れて童心に帰ることができ、ほっこりしています。
ベトナムの子供たちに、「ぐりとぐら」の物語がこれからも読みつがれていくことを期待しています。
追記:2022年9月に、作者で画家の山脇百合子さんが亡くなられたことが報じられました。
子どものときに、たくさんの夢をいっぱい与えていただき本当にありがとうございました
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